調査日時:2015年3月24日(火)~3月31(火)
ライフスタイル
近年晩婚化・生涯独身が進み、自分1人だけの生活を送る単身者が増加しているようです。
得た収入も、趣味や余暇、ファッションなど自分のために使え、それぞれのライフスタイルを楽しむことができるという点が単身者の大きなメリットとして挙げられるのではないでしょうか。
では実際、どのようなところに興味を持ち、どれくらい消費をしているのでしょう。また、年代や年収によって、興味のあるものやお金の使い方にはどのような差異があるのでしょうか。
今回はフルタイムで働く20~50代の男性単身者(未婚子どもなし)のバルクルーメンバーに、その実態を伺いました。
※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。
調査概要
調査方法 |
Webアンケート方式 |
調査対象 |
20代~50代男性(バルクルーメンバー)
未婚(子どもなし)、フルタイム勤務者 |
アンケート参加者数 |
合計772人
男性772人(年代別内訳: 20代/123、30代/212、40代/218、50代/219) |
調査日時 |
2015年3月24日(火)~3月31(火)
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調査機関 |
株式会社バルク |

アンケート結果トピックス
- 『金融商品への投資』、年間「100万円以上」を投資している人も!
独身男性に興味がある項目について伺ったところ、「家電・パソコン・テレビ・AV機器」が48.7%で最も多く、次いで「旅行」34.6%、「貯蓄」28.6%、「外食」25.8%、「金融商品への投資」24.7%という結果になりました。
5番目に多かった『金融商品への投資』では、全体の約6割の人が支出があり、そのうち約1割の人が「100万円以上」と回答しました。
- 貯蓄額は『実家暮らし』よりも『1人暮らし』の方が多い!?
実家暮らしの方が金銭にゆとりがあり貯蓄ができるイメージが強いですが、実際は20代から40代にかけて『実家暮らし』よりも『1人暮らし』の方が100万円前後貯蓄金額が多いことが分かりました。
- 金銭面で将来安心できる年収の壁は『800万円以上』!?
金銭面に関して《将来に不安を感じるか》を伺ったところ、全体の7割弱の人が「不安を感じる」と回答。
しかし年収別にみると、『200万円未満』から『600~800万円未満』では約6~8割が「不安を感じる」と回答したのに対し、『800万円以上』になると約4割と低くなることが分かりました。
独身男性の生活実態について
男性単身者の生活形態も多種多様。
一人暮らしであったり実家暮らしであったり、年収も違えば興味があるものも様々です。
ではその実態は?それぞれについて伺いました。
設問1:あなたの居住形態をお知らせください。
【独身男性の居住形態 年代別・年収別グラフ】

男性単身者(フルタイム勤務者)に、年代別に現在「1人暮らし」か「実家暮らし」かを聞いたところ、「1人暮らし」は『20代』で38.2%、『50代』で58.4%と増加し、「実家暮らし」は『20代』で61.0%、『50代』で38.8%と減少することが分かりました。
「1人暮らし」の割合は、『20代』から『50代』では約2割ほどの差にとどまることが窺えます。
また、『40代』を境に「1人暮らし」の割合が約半数を超えます。
年収別に見ると、「1人暮らし」は『200万円未満』で40.5%、『800万円以上』で65.9%と増加し、「実家暮らし」は『200万円未満』で57.1%、『800万円以上』で31.7%と減少します。
年収400万円を境に「1人暮らし」の割合が「実家暮らし」を超え、逆転します。
(※) 年収については、答えたくない、または分からない場合は「その他」を回答。グラフは割愛。
設問2:あなたの年収はおいくらくらいですか。
設問7:あなたは生活の中で、どんなところに興味がありますか。
【独身男性が興味があるもの 全体グラフ/年代別・年収別表】
※画像をクリックすると大きい図が表示されます。

独身男性が興味があるものについて伺ったところ、「家電・パソコン・テレビ・AV機器」が48.7%で最も多く、次いで「旅行」34.6%、「貯蓄(老後の為の費用を除く)」28.6%、「外食」25.8%、「金融商品への投資」24.7%が上位5位という結果になりました。
「外食」「交際費」「住居」「ファッション」「自己啓発」「美容」は『20代』から『50代』にかけて興味が低くなる傾向が窺えます。
一方で、「家電・パソコン・テレビ・AV機器」は年代が上がるにつれ興味が高くなる傾向にあります。
「金融商品への投資」「スポーツ」は『30代』で最も興味が高く、「スポーツ」は年代が上がるにつれ減少します。
『20代』ではどの項目も相対的に興味が高く、特に「交際」では33.3%と全体より10ポイント以上高い結果となりました。
『50代』では「老後のための費用」が全体より10ポイント近く高く、31.1%の結果となりました。
年収別では『200万円未満』と『800万円以上』で大きく差が開き、高年収であるほどいろいろなことへの興味も高くなる結果となりました。
独身男性の消費・貯蓄金額
前ページ(設問7)の興味があるもの上位5位(『家電・パソコン・テレビ・AV機器』『旅行』『貯蓄』『外食』『金融商品への投資』)について、実際それぞれ年間どれくらいお金を使っているかを伺ってみました。
『家電・パソコン・テレビ・AV機器』『旅行』『金融商品への投資』では年間「3~5万円未満」が妥当な消費金額となるようです。
また、『外食』費、『貯蓄』額を「1人暮らし」と「実家暮らし」で比較したところ、年代や年収によって差異が見られました。
設問6:下記項目それぞれにあてはまる、あなたご自身の年間平均費用をお知らせください。
【独身男性の興味があるもの 年間費用(1)家電・PC等/旅行/金融商品 全体グラフ】

『家電・パソコン・テレビ・AV機器』では、「3万円未満」が36.1%と最も多く、支出の平均金額は「69,200円」という結果になりました。「20万円以上」支出する人はほとんどおらず、9割以上は「20万円未満」に留まります。
『旅行』も「3万円未満」が最も多い結果(支出をしている中で)となりましたが、支出の平均金額では「123,100円」と『家電・パソコン・テレビ・AV機器』に比べ高い水準となりました。
『金融商品への投資』は支出をしている人は全体の5割強(☆n=418)で、『家電・パソコン・テレビ・AV機器』(☆n=586)や『旅行』(☆n=552)に比べ低くなりますが、「20万円以上」の支出をする人は2割弱おり、うち1割弱が「100万円以上」の支出をしている結果となりました。
☆ n数は「特にかかる費用はない」「その他」を除く。
(※) 各金額について、答えたくない、または分からない場合は「その他」を回答。
(※) 【平均金額】【中央値】は「特にかかる費用はない」「その他」の回答を除き算出。
設問5:あなたの月平均の外食費をお知らせください。
【独身男性の興味があるもの 年間費用(2)外食費 年代別グラフ】

年代別に月平均の外食費用を比較したところ、『20代』から『40代』にかけて外食費が「1万円未満」の割合が増加しており、『40代』は3割以上(35.8%)が「1万円未満」で、最も外食に費用をかけていないことがわかりました。
【1人暮らし】と【実家暮らし】で比較すると、『20代』と『40代』はあまり差が見られませんでしたが、『30代』と『50代』は、いずれも【1人暮らし】のほうが4~5千円高くなっていました。
(※) 答えたくない、または分からない場合は「その他」を回答。
(※) 平均金額
平均金額は、月平均の外食費を下記の数字に置き換え、年収別回答者数を掛けたものを全体の数で割ることにより算出しています。
1万円未満・・・1万円 1~2万円未満・・・1万5千円 2~3万円未満・・・2万5千円
3~5万円未満・・・4万円 5~10万円未満・・・7万5千円 10万円以上・・・10万円
【独身男性の興味があるもの 年間費用(2)外食費 年収別グラフ】

月平均の外食費用を年収別に比較すると、年収が上がるにつれ外食費も増加する傾向が窺えます。
月平均外食費を【1人暮らし】と【実家暮らし】で比較すると、『200万円未満』が5,400円、『800万円以上』が10,000円、いずれも【1人暮らし】の金額が高くなっていました。
(※) 答えたくない、または分からない場合は「その他」を回答。
(※) 平均金額
平均金額は、月平均の外食費を下記の数字に置き換え、年収別回答者数を掛けたものを全体の数で割ることにより算出しています。
1万円未満・・・1万円 1~2万円未満・・・1万5千円 2~3万円未満・・・2万5千円
3~5万円未満・・・4万円 5~10万円未満・・・7万5千円 10万円以上・・・10万円
設問3:あなたは現在おいくらくらい貯蓄がありますか。
【独身男性の興味があるもの 年間費用(3)貯蓄 年代別グラフ】

独身男性が興味があるものとして上位3位であった貯蓄について、年代別に比較したところ、年代が上がるにつれ貯蓄額はやや増加しますが、大きな差異は見られませんでした。
平均貯蓄額を【1人暮らし】と【実家暮らし】で年代ごとに比較したところ、『50代』を除くそれぞれの年代で【1人暮らし】の方が多く貯蓄があるということが分かりました。
(※) 答えたくない、または分からない場合は「その他」を回答。
(※) 平均金額
平均金額は、貯蓄額を下記の数字に置き換え、年代別回答者数を掛けたものを全体の数で割ることにより算出しています。
50万円未満・・・50万円 50~100万円未満・・・75万円 100~300万円未満・・・200万円
300~500万円未満・・・400万円 500~1千万円未満・・・750万円 1千~3千万円未満・・・2千万円
3千万円以上・・・3千万円 貯蓄はない・・・0円
【独身男性の興味があるもの 年間費用(3)貯蓄 年収別グラフ】

貯蓄について年収別に比較したところ、年収が上がるにつれ貯蓄額も増加する傾向が窺えます。特に、年収『800万円以上』になると、貯蓄額もぐっと上がり、「3千万円以上」が6割以上(61.0%)となっています。
平均貯蓄額を【1人暮らし】と【実家暮らし】で年収ごとに比較したところ、年収『200~400万円未満』までは【1人暮らし】の方が高くなっていますが、『400~600万円未満』では差はほとんどなくなり、『600~800万円未満』以降は、反転して【実家暮らし】のほうが大差で高くなっていました。
(※) 答えたくない、または分からない場合は「その他」を回答。
(※) 平均金額
平均金額は、貯蓄額を下記の数字に置き換え、年代別回答者数を掛けたものを全体の数で割ることにより算出しています。
50万円未満・・・50万円 50~100万円未満・・・75万円 100~300万円未満・・・200万円
300~500万円未満・・・400万円 500~1千万円未満・・・750万円 1千~3千万円未満・・・2千万円
3千万円以上・・・3千万円 貯蓄はない・・・0円
金銭面での将来の不安について
金銭面での将来への不安を伺ったところ、66.6%の人が『不安を感じる』(「とても不安を感じる」+「やや不安を感じる」)という結果になりました。
なかでも《貯蓄》に対して不安を感じる人が多いことが分かりました。
設問8:あなたは金銭面に関して将来に不安を感じますか。
【金銭面での将来への不安 全体/年代別/年収別グラフ】

金銭面での将来の不安については、年代が上がるにつれて、『不安を感じる』(「とても不安を感じる」+「やや不安を感じる」)と回答する人が多くなっていました。
『20代』の58.5%から『50代』の73.5%と、いずれも6~7割の高さとなっています。
一方で、年収が上がるにつれて、『不安を感じる』割合は低くなります。
特に年収『200万円未満』から『600~800万円未満』では10ポイント未満の差で低くなるのに対し、『600~800万円未満』から『800万円以上』になると17ポイントの差と大きく、年収『800万円以上』が安心材料のひとつとなることが窺えます。
設問10:下記の中から金銭面で将来に不安を感じる項目をすべてお選びください。
【金銭面での将来の不安を感じる項目 年代別グラフ/表】

金銭面での将来の不安を感じる項目について、年代別で見ると、「年金の受給」、「病気や怪我」、「住まい(住居)」は年代が上がるにつれ不安材料となる傾向が高く、「結婚」については年代が上がるにつれ低くなる傾向があります。
特に「年金の受給」、「病気や怪我」は年代ごとに差異があることが窺えます。
【金銭面での将来の不安を感じる項目 年収別グラフ/表】

金銭面での将来の不安を感じる項目を年収別で見ると、「貯蓄」「仕事」は年収が下がるにつれ不安材料となる傾向が高くなります。
「景気の動向」は年収『800万円以上』で58.8%と突出して高い割合となっており、金融商品などへの投資との関連性が考えられます。
また年収『200万円未満』では、「住まい」「借入金・ローンの支払い」に不安を感じている人が多い様子が窺えます。
金銭面で将来に不安を感じる理由 (自由記入)
不安材料として、仕事や病気などの先行きがどうなるか分からないという事や、社会保障制度や日本経済の動向に左右されるといった問題などが挙げられるよう。
先行きが分からない分、貯蓄計画が立てられなかったり、現状は問題なくとも社会情勢の変化により将来が読めないといった漠然とした不安も回答として多くみられました。
以下、一部ですがテーマごとにご紹介いたします。
設問9:「不安を感じる」とお答えになった理由を、どんなことでも結構ですのでご記入下さい。
【 貯蓄 】 |
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- 老後に備えた貯蓄が十分にできているとは言えないので。(20代)
- 年金がどの位もらえるのかが分からないので今どの位貯金をしておけばいいのかが不安です。(30代)
- 貯蓄できる金銭的余裕がない。(40代)
- 貯金が減っている。(40代)
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【 年金の受給 】
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- 将来的に年金支給年齢が遅くなっていくし、支給額も減っていくであろうと思うから。(50代)
- 物価は上がるが、年金は上がるどころか下がっている。社会保障費の自己負担も増えたりと老後が厳しい。(50代)
- 政府の年金制度が維持できないと思うからです。これからは経済的にも自己防衛をしなければならないと思います。(30代)
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【 病気や怪我 】
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- 病気などで体が不自由になった時に、どのくらい費用がかかるか分からないから。(50代)
- 難病を患っており、昇進&昇給はストップ。 いつクビになるか判らない。(40代)
- 年金がどれだけもらえるか?病気などにより多額の出費が必要になった場合、大丈夫か?これらが心配。(50代)
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【 仕事 】 |
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- 派遣社員なので雇い止め等の不安が常にある。(40代)
- 自営なので先行き不透明だから。(40代)
- 現在の職種が今尻すぼみなっているため、将来どうなるか心配。(40代)
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【 給料 】
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- 物価上昇に収入が追い付いていない。(50代)
- 収入の安定がない。(30代)
- 給料が上がらないから。(20代)
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【 社会情勢・景気動向 】 |
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- 進まぬ政府の行財政改革。(40代)
- 増税や物価の上昇で出費が増えているから。(30代)
- 日本が若者のための政策ではなく、票集めのための老人のための政策ばかりだから。(30代)
- ハイパーインフレの到来。(30代)
- 日本の国そのものに信用できないから 日本政府に巨額の借金があること。(50代)
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【 その他 】 |
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- 一人暮らしのため。(50代)
- 独り身であれば不安はないが、結婚したらわからない。(30代)
- お金に関する知識が乏しい。(20代)
- 現在金融機関から借入があって無駄な利息を毎月払っているから。親世代のように年功序列賃金が見込めず家計を予測しにくいから。(30代)
- いくらあっても安心できない。(30代)
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今回の調査では、独身男性のお金の使い方の実態について窺うことができました。
特に費やす金額や、お金に対する考え方には年収が大きく関与しているということが分かりました。
実家暮らしの方が1人暮らしよりゆとりがあるイメージでしたが、今回の調査で、実際はあまり差がないということが分かりました。これは、1人暮らしの人は年収400万円を超えていることが多いということが影響しているのかもしれません。
将来への不安項目も年収により異なり、年収200万円未満の人は住まいや借入金・ローンの支払い、年収800万円以上の人は景気動向に対する意識が高く、年収800万円以上の人は金融商品への投資に興味がある人が多いことから窺える結果と言えそうです。
将来への金銭面での不安材料は異なりますが、不安を抱く人は全体で7割弱と多数で、日本の景気動向や社会保障制度への不信感などが多く、また「漠然と不安」と回答する方も多数みられました。