調査日時:2014年8月15日(金)~8月21(木)
食品・飲料
2011年のアサヒ飲料「ウィルキンソン タンサン」の発売をはじめ、'12年7月にサントリーが「南アルプスの天然水 スパークリング」を発売、 '14年には日本コカ・コーラが「いろはすスパークリング」を発売するなど、相次いで炭酸水商品が投入されています。
かつてはアルコールの割材としての用途が一般的であった炭酸水ですが、近年はそのまま飲む飲料として注目されているようです。
そこで、近年の炭酸水に対するイメージや用途、用途シーンについて、20~60代のバルクルーメンバーに聞いてみました。
※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。
調査概要
調査方法 |
Webアンケート方式 |
調査対象 |
20代~60代男女(バルクルーメンバー) |
アンケート参加者数 |
合計1,079人
男性536人(年代別内訳: 20代/106、30代/108、40代/105、50代/105、60代/112)
女性543人(年代別内訳: 20代/105、30代/113、40代/109、50代/106、60代/110) |
調査日時 |
2014年8月15日(金)~8月21(木)
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調査機関 |
株式会社バルク |

アンケート結果トピックス
- 炭酸水購入者、牽引するのは20代!
炭酸水購入者の購入時期について、「2~3年ほど前から」~「つい最近」までを合算すると、男性20代が68.3%、女性20代が72.1%と、男女共に20代が最も高くなっています。
- 炭酸水のイメージはプラスに変化!
炭酸水の過去のイメージでは「そのままでは飲みにくい」、「まずい」という回答に対し、現在では「そのまま飲む」、「美味しい」との回答が増えた結果となりました。
炭酸水の発売が増えるのに比例し、イメージも「そのまま飲んで美味しい飲料」へと改善されているのかもしれません。
- 飲用以外では美容・健康に、そしてこんな利用法も・・・?!
炭酸水はジュースやアルコールの割材として飲用されることが多いですが、その他にも料理や美容・健康への利用をする等、飲用・利用方法は様々だということが分かりました。
中には「薄毛の解消」に利用されている方も...?
種類別の飲料の購入について
店頭には様々な種類の飲料が並んでおりますが、皆さんはそれぞれの飲料についてどれくらいの頻度で購入をしているのでしょう。
また季節や時間帯別にみて、飲料を購入したり飲用する行動にどれくらい変化があるのでしょうか。
設問1:以下の飲料について、あなたはそれぞれどれくらいの頻度で購入しますか。
【飲料別の購入頻度 全体グラフ】

飲料別に購入頻度を比較すると、『月2回以上』購入する割合(「ほぼ毎日」+「週に数回程度」+「2週間に1回程度」)が高いのは「お茶」(46.0%)と「コーヒー」(42.4%)という結果になりました。
購入者中の月平均購入本数(※1)は「お茶」(5.8本)、「コーヒー」(6.1本)という結果になりました。
また、『月2回以上』購入する割合が低いのは、「炭酸水」(18.9%)、「紅茶」(20.0%)、「フレッシュジュース」(21.2%)で、いずれも2割前後となってます。定番の「お茶」や「コーヒー」と比較すると、半分以下の割合です。
そのうち、「炭酸水」はそもそも「購入したことはない」という割合が42.8%と非常に多く、他の飲料に比べ購入経験者が少ないことが分かります。
(※1)月平均購入本数
月平均購入本数は、飲料別購入頻度を下記の数字に置き換え、飲料別購入者数を掛けたものを全体の数で割ることにより算出しています。
ほぼ毎日・・・30本 週に数回程度・・・12本 2週間に1回程度・・・2本 1ヶ月に1回程度・・・1本 2~3ヶ月に1回程度・・・0.3本 半年に1回程度・・・0.2本 年に1回程度・・・0.1本
設問3:それぞれの飲料について、よく購入する時期をお知らせください。
【季節別に見た各飲料の購入推移 全体グラフ・表 ~年間平均との差~】

各飲料について、季節ごとの購入状況をお聞きしました。
グラフ・表は、飲料ごとに購入の年間平均を出し、季節ごとに年間平均との差を算出した結果となります。
飲料ごとに変動幅に差があることがみられます。
「コーヒー」、「紅茶」の季節による差は比較的少なく、またホット飲料としても販売されているためか、冬は他の飲料と異なり、増加が見られます。同じくホット飲料のある「お茶」に関しては、夏場は比較的高い割合ですが、冬には伸び悩み、コーヒー・紅茶と同様の傾向は見られませんでした。
「炭酸水」、「清涼飲料水」、「炭酸飲料」に関してはほぼ同じ割合で、夏場が特に購入されています。
設問4:それぞれの飲料について、よく飲む時間帯をお知らせください。
【時間帯別に見た各飲料の飲用推移 全体グラフ・表】

時間帯別に各飲料が飲用される傾向をみると、全体的に共通して昼が最も高いですが、朝と夜は飲料ごとに違いが見られます。
「コーヒー」、「フレッシュジュース」は朝から比較的飲用される割合が高いですが、夜には飲用割合は落ち込みます。
「ミネラルウォーター」、「お茶」、「紅茶」は、朝と夜の差が少なくなっています。
また、「炭酸水」、「炭酸飲料」は、朝の飲用割合は1割未満、と低いですが、夜はいずれも2割以上で、朝よりは高くなっています。
炭酸水と各種飲料との比較
では、実際炭酸水はどのような飲料ジャンルとして認識されているのでしょう。
その際、炭酸水の競合飲料となるものはどのような飲料なのでしょう。
そして、続々と炭酸水ブランドが登場する中、実際近年の購入者数はどのように変化したのでしょう。
設問2:あなたが炭酸水を購入するとき、他の飲料と比較する(迷う)としたらどの飲料と比較しますか(迷いますか)。
【炭酸水購入時に比較する(迷う)飲料 炭酸水購入者全体グラフ】

炭酸水を購入すると回答された方に、購入時に他の飲料と比較する(迷う)かどうか尋ねたところ、炭酸水の最も競合となる飲料の1位は「ミネラルウォーター」(35.7%)で、僅差で「炭酸飲料」(35.5%)という結果になりました。
炭酸水が『ミネラルウォーター+(足す)炭酸』、もしくは『炭酸飲料-(引く)味』といった、この2種の飲料の間となるジャンルにあてはまるような印象となりました。
設問5:それぞれの飲料について、どのような時にその商品を飲みますか。
【飲用シーン別の比較グラフ ミネラルウォーター / 炭酸水 / 炭酸飲料】

各飲料について、飲用シーンを尋ねました。
前述の炭酸水の競合上位2位飲料(ミネラルウォーター、炭酸飲料)と、炭酸水を抜粋して飲用シーン別に比較してみました。
『水分補給用』は、圧倒的に「ミネラルウォーター」が高く79.4%、『気分転換に』は「炭酸飲料」60.2%が高くなっています。『気分転換に』、『その他』以外は、概ね「ミネラルウォーター」が3つの中では高い結果となっていました。
「炭酸水」は、一番飲用が多いシーンは『気分転換に』(47.7%)で、比較的「炭酸飲料」と似た傾向が見られました。
設問6:あなたが炭酸水を購入するようになったのはいつからですか。
【炭酸水の購入開始時期 性年代別グラフ】

炭酸水を購入すると回答された方に、炭酸水の購入時期を尋ねたところ、全体では、「5年以上前から」が33.7%で一番高くなっていました。
性年代別に見ると、「2~3年程前から」~「つい最近」購入するようになった人は、多少ばらつきはあるものの男性20代68.3%、女性20代72.1%と男女ともに20代が多い結果となりました。
また、男性50代の「つい最近」が24.1%と、どの性年代より高くなっています。
平均の購入年数(※2)に関しては性年代ごとに大きな差は出ておらず、ここ2~3年の間購入しているという結果になりました。
(※2)平均購入年数
平均購入年数は、性年代別購入開始時期を下記の数字で購入年数に置き換え、性年代別購入開始者数を掛けたものを全数で割ることにより算出しています。
つい最近・・・0.1年 数か月前から・・・0.3年 半年程前から・・・0.5年 1年程前から・・・1年 2~3年程前から・・・2.5年 3~5年程前から・・・4年 5年以上前から・・・5年
【炭酸水の購入開始時期 と購入者割合の推移】

全体から見た購入者割合の推移は5年前から上昇傾向で、特に代表的な炭酸水ブランドが発売された「2~3年程前から」は8.3ポイント増、「1年程前から」は8.7ポイント増、日本コカ・コーラから『いろはすスパークリング』が発売された本年(2014年)では16.3ポイント増と大幅な増加が見られます。
※グラフの数値は、累積の割合になります。
最近の炭酸水について
現在では炭酸水ブランドが多数販売されていますが、人気の炭酸水はどの銘柄なのでしょうか。
また、炭酸水購入者が増加する中、炭酸水に対するイメージや飲用、利用法はどのように変化しているのでしょうか。
設問7:炭酸水の好きな銘柄をお知らせください。
【炭酸水の好きな銘柄ランキング 性別グラフ】

炭酸水を購入すると回答された方に、好きな炭酸水の銘柄をお選びいただいたところ、『アサヒ「ウィルキンソン タンサン PET500ml」』が26.7%で1位となりました。
次いで『サントリー「南アルプスの天然水 スパークリング」』19.1%、僅差で『コカ・コーラ「い・ろ・は・す スパークリング」』18.5%の順となりました。
レモン味のラインナップをもつ「南アルプスの天然水」「い・ろ・は・す スパークリング」は、他の炭酸水ブランドを抑え同率15.2%の4位とランキングに続きました。
男女間での銘柄の好みにはあまり差がない結果となっています。
設問8:最近、炭酸水のバリエーションが増えていますがあなたの炭酸水に対するイメージを過去と現在に分けてお知らせください。
【炭酸水のイメージ 過去と現在の比較】

炭酸水のイメージについて、過去/現在それぞれについて尋ねて、比較しました。
その結果、いくつかの項目において、過去と現在では炭酸水に対するイメージに少し変化が表れているようです。
特に、過去の炭酸水のイメージの「そのままでは飲みにくい(16.2%)」、「まずい(10.0%)」が、現在では「そのまま飲む(18.5%)」、「美味しい(16.0%)」、と改善されていることが窺えます。
また、現在では「無糖なのが良い」が19.1%と、過去のイメージから7.2ポイントプラスになっており、健康意識が高まる中、無糖飲料への好感度も増加しつつあると考えられます。
設問9:炭酸水の飲用・利用方法についてあてはまるものいくつでもお知らせください。
【炭酸水の飲用方法/利用方法 購入時期別グラフ】

前述の【炭酸水のイメージ 過去と現在の比較】より、炭酸水が「そのまま飲む」イメージへと変化していることが分かりましたが、炭酸水の【飲用方法】を見ると、実際「そのまま飲んでいる」人が「アルコールやジュースと割って飲んでいる」人と比較すると、年々増加していることも窺えます。
特に『半年前以内』」の「そのまま飲んでいる」人は大きく増えています。
また、炭酸水の【利用方法】を見ると、【飲用方法】と比べると割合はとても低いですが、『1年程前から』多様化されていることが窺えます。
特に『半年前以内』では「炭酸水シャンプーやヘッドスパに利用している」(6.8%)、「炭酸水洗顔に利用している」(5.7%)人が現れ、美容目的に利用する人も多くなっているようです。
炭酸水の独自の利用方法・あったらいいと思うもの (自由回答)
炭酸水の飲み方や使い方はかなり多様なようです。
飲み方に工夫があったり、料理に使用したりと飲用方法のバリエーションはもちろん、美容や健康に利用する方もいるようです。
中には「コーヒーと割って飲む」という人や「薄毛解消」なんてご意見も!
でもやはり「そのまま飲むのが一番」と答えた方は複数いらっしゃいました♪
設問10:炭酸水の独自の利用方法や、こんな炭酸水があったらと思うものまたその他意見や感想をお聞かせください。
炭酸水の独自の利用法! |
【 ~食べる・飲む~ 】
- 天ぷら粉を溶く時に入れる。(カラッと揚がるので)(女性50代)
- 炊飯の水として使う(女性50代)
- 運動後にクエン酸を適量混ぜて飲んでいます。 レモンスカッシュのような感じで美味しい。(男性30代)
【 ~美容・健康~ 】
- ヘッドスパ(女性40代)
- 化粧水に使っている(女性30代)
- 毛穴を引き締めるパッティング (女性50代)
- 血行促進のために飲んでいる(男性30代)
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あったらいいなと思う炭酸水☆
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【 ~飲む~ 】
- フレーバーつきの炭酸水がもっとあるといい(女性40代)
- コーヒー缶ぐらいですごい炭酸のきついのが出たらいいなと思う(男性20代)
- 炭酸の強さがわかること(女性50代)
- もっと刺激の強い炭酸水(女性20代)
- 500mlのペットボトルで飲みきれない時に後から飲むと炭酸が抜けてしまっている。 炭酸が抜けない蓋も売ってはいるが高価なので手が出しにくいので300mlくらいのやや小ぶりの物(飲みきりサイズ)があると出先などでも重宝しそう。(女性30代)
【 ~美容・健康~ 】
- お風呂に入れたら炭酸風呂?(女性40代)
- 美容系炭酸水(女性30代)
- 健康効果に優れた炭酸水(女性60代)
- 炭酸水が出るシャワー(男性20代)
- 普通の炭酸水と味は変わらないのにビタミンやカルシウムやコラーゲンが入っているなど、付加価値のある炭酸水。(女性40代)
- 洗顔専用炭酸水があればいいのに(女性50代)
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その他こんな意見も!
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- フレッシュジュースや豆乳にいれている。独特な感じで面白く飲める。(男性20代)
- 掃除専用の炭酸水(女性20代)
- そのままも飲むが、凝縮タイプの液体コーヒーを割って炭酸コーヒーとしてよく飲む。(女性40代)
- 薄毛解消(男性40代)
- 炭酸水は水分を取りすぎずに、喉の渇きを潤してくれるので体調も良くなり愛飲してます(女性40代)
- 昔、人から聞いたのが、炭酸水に生卵を混ぜて飲むとおいしいとのこと。(女性40代)
- やはり生のまま飲むのが一番です。(男性60代)
- そのままで飲むとおいしいということに最近気が付いた(女性60代)
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今回の調査では、各飲料メーカーが独自ブランドの炭酸水商品を発売するに伴い、炭酸水購入者が近年増加傾向にあることが分かりました。
また、炭酸水のイメージがマイナスからプラスへと遷移していることから、近年の独自ブランドの炭酸水商品が、私たちの炭酸水に対するイメージに変化を与えたのかもしれません。
確かに、近年の炭酸水の広告やパッケージは、少し馴染みやすい印象で、手に取りやすい商品となっているように感じます。
また、美容や健康ブームもあり、無糖の炭酸水はさらに人気を集めたのかもしれませんね。
今後も、新しい炭酸水商品の発売により、炭酸水購入者が更に増加することに期待ができます。
また、美容や健康、またそれ以外の分野での炭酸水の活用方法が増えることにも注目していきたいところです。
今まであまり炭酸水を飲まなかった方も、様々な飲用・利用方法で、炭酸水を楽しんでみてはいかがでしょうか。