タバコに関するリサーチ結果 | バルクのマーケティングリサーチ・市場調査

Vol.87 タバコに関する調査

過去10年ほどのタバコ事情を振り返ってみますと、タバコ増税、消費増税などの度重なる値上げや、路上喫煙禁止条例、公共施設での分煙・全面禁煙などにより、非喫煙者、嫌煙家にとっては望ましい環境へと進んでいますが、一方の喫煙者にとっては厳しい状況となってきています。 さらに、近年では「禁煙外来」、「禁煙補助具」のテレビCMなどが目につくようになってきました。 「タバコ」を取り巻く環境・イメージについて、20代~60代のバルクルーメンバーに聞いてみました。

※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。

調査概要

調査方法 Webアンケート方式
調査対象 20代~60代男女(バルクルーメンバー)
アンケート参加者数 合計1,085人 男性537人(年代別内訳: 20代/109、30代/108、40代/105、50代/107、60代/108) 女性548人(年代別内訳: 20代/109、30代/110、40代/109、50代/110、60代/110)
調査日時 2014年8月15日(金)~8月18(月)
調査機関 株式会社バルク

3002936_11

アンケート結果トピックス

    • やはり?意外にも?・・・喫煙者は減少傾向。
    • 禁煙成功者も含め、現在の非喫煙者が8割を占める結果となりました。 また、年代別で喫煙者自体は大きな差は見られませんでしたが、「一度も喫煙したことがない」方が、若年層に多く見受けられ(8割弱)、今後喫煙者が減少していく要因となるかもしれません。
    • 臭いし、かっこ悪い。さぼっているように見られてる!?
    • 喫煙者からすると、気にならないのかもしれませんが、非喫煙者からは「臭い」、「カッコ悪い」、「さぼっている」とネガティブ三拍子がそろうイメージで見られています。 そして、極めつけは「健康に悪影響がある」でした。
    • 禁煙には、「家族」の応援が欠かせない?!
    • 多くの喫煙者にとって、禁煙意識は常に付きまとっているものかもしれませんが、自分の意志で貫くにはなかなかハードルが高い。。。 そんな時、隣人より、家族に勧められると一番心が動くという結果が。  

喫煙状況について

現喫煙者は意外にも少なく、約2割となっています。禁煙成功者を含めても約4割程となり、少数派という意味でも、喫煙者を取り巻く環境は厳しいのではないかと推測できます。 年代別で見ると、禁煙経験については、50代・60代男性の比率が高く見受けられます。 若年層になるほど、一度も喫煙したことがない割合が増えています。 また、約7割の女性が一度も喫煙したことがないということも、印象的です。

設問1:あなたの喫煙状況を教えてください。

【タバコ喫煙状況 性別・年代別グラフ】

3002936_21

タバコの喫煙状況をお聞きしたところ、現喫煙者(「喫煙している(喫煙を始めてから一度も禁煙したことがない)」+「喫煙している(何度か禁煙したことはある)」)は約2割(20.1%)となっています。 禁煙成功者(「喫煙していない(以前に喫煙していた時期がある)」)を含めた喫煙経験者は、約4割(43.6%)となっています。 世の中は、非喫煙者が過半数を占めているようです。 しかし、性別で見ると、男性の喫煙経験者は6割弱(58.9%)で、喫煙未経験者の方が少なくなっています。

【タバコ喫煙状況 性年代別グラフ(喫煙有無別)】

3002936_22

「喫煙している(喫煙を始めてから一度も禁煙したことがない)」方のうち、7割(71.3%)は男性となっています。 反対に「喫煙しない(一度も喫煙したことがない)」方のうち6割超(63.8%)は女性となっています。 「喫煙している(何度か禁煙したことはある)」と「喫煙していない(以前に喫煙していた時期がある)」は、いずれも禁煙経験者ですが、こちらも6割超で男性が多くなっています。(それぞれ、65.0%、64.6%)

設問2:あなたが感じる周辺(家族・近親者、友人・知人、職場)の、喫煙状況についてお知らせください。

【自分の周りの喫煙状況 喫煙者・非喫煙者別グラフ】

3002936_23

自分の周り(家族・近親者、友人・知人、職場)の人たちの喫煙状況について尋ね、喫煙者/非喫煙者ごとに見てみたところ、『喫煙者』の約5割(48.9%)が 「周辺では、喫煙者が減っている。」と感じており、『非喫煙者』の約4割(39.7%)が「周辺には、喫煙者がいない」と感じている結果になっています。 「周辺には(では)、喫煙者しかいない/ほとんどの人が喫煙している/喫煙者が増えている」という、【喫煙する人に対する認識】は、『喫煙者』の場合は、2割に満たず(16.5%)、『非喫煙者』の場合は、1割にも満たない(6.0%)状況です。 また、『非喫煙者』においては、「周辺では(には)、喫煙者が減っている/ほとんどの人が禁煙している/喫煙者がいない」の合計は8割(78.5%)に迫っています。

設問3:あなたは、家族・近親者、友人・知人、職場の同僚の喫煙に対してどのように思いますか。

【自分の周りの喫煙者に対する意識 家族/友人/同僚別グラフ】

3002936_24

家族、友人・知人、職場の同僚など、自分の周りの人の喫煙に対して、それぞれどのように思っているかを尋ねたところ、『家族・近親者』に対しては、「周囲に喫煙者はいない」(38.8%)に次いで、「周囲に迷惑が掛からなければ喫煙していても構わない」(26.0%)、「喫煙者の健康が心配なので禁煙してほしい」(21.9%)が高くなっています。健康を気遣ってもらえているのは、やはり身近な『家族・近親者』の喫煙者のようです。 『友人・知人』、『職場の同僚』に対しては約4割が「周囲に迷惑がかからなければ喫煙しても構わない」(それぞれ37.9%、39.6%)、約3割が「周囲に喫煙者はいない」(いずれも29.8%)となっています。

タバコのイメージについて

タバコ(喫煙)のイメージは、予想通り喫煙者と非喫煙者の間に大きな差が見られる結果となっていました。 喫煙者は、「リラックス」「リフレッシュ」のようなプラスのイメージが高く、非喫煙者は、「健康に悪影響がある」「臭い」のようなマイナスのイメージが高くなっています。

設問4:あなたはタバコ(喫煙)に対してどのようなイメージをお持ちですか。

【タバコ(喫煙)に対するイメージ 喫煙者/非喫煙者別グラフ】

3002936_31

タバコ(喫煙)に対して、どのようなイメージを持っているか尋ねました。 喫煙者と非喫煙者を比較して、差の大きな順に並べてみたところ、「リラックスする」、「リフレッシュする」は喫煙者が30ポイント以上高く、「臭い」、「健康に悪影響がある」は非喫煙者が20ポイント以上高くなっています。 喫煙者の中には、「リラックスする」、「リフレッシュする」のプラスのイメージと、「臭い」、「健康に悪影響がある」のマイナスのイメージが共存しているようです。

設問5:あなたは禁煙・分煙の風潮についてどのように考えますか。

【禁煙・分煙の風潮 性別・年代・喫煙有無別グラフ】

3002936_32

現在の禁煙・分煙の風潮について尋ねました。 全体の58.1%が、「もっと積極的に推進するべき」という推進派となっており、非喫煙者では、さらにその割合が高く、67.2%と半数を優に超える結果となっています。 喫煙者では、「逆らえない流れと考えるので仕方がない」が44.7%と最も高く、次いで、「過剰に推進されているので控えるべき」が24.7%で、頑張って反対しようとする主張が見られます。しかし一方で、喫煙者側にも「もっと積極的に推進するべき」が21.9%存在します。

喫煙経験者の禁煙意識について

喫煙経験者の約半数は「家族・近親者」からの禁煙を勧められた経験があるようです。 意外にも「禁煙意識に変化はあるが禁煙はしない」とする方が一定数存在し、“禁煙しない”よりは、“やめられない”に近い感覚とも考えられます。 また、CM視聴による禁煙意識の変化は、「禁煙外来」、「禁煙具」いずれも同じような傾向が見られました。 CMを視聴しても残念ながらリーチしないようで、意識の変化の有無に関わらず、どちらも約3割が『禁煙しない』と回答しています。

設問6:あなたは、家族・近親者、友人・知人、職場の同僚から禁煙を勧められたことはありますか。

【周囲からの禁煙を勧められた場合の禁煙意識 家族/友人/同僚別グラフ】

3002936_41

喫煙経験者(現喫煙者+以前に喫煙していた時期がある人)に、周りの人たちに禁煙を勧められると意識に変化があるのかを尋ねたところ、意外なことに一番高かったのは「禁煙を勧められたことはない」との回答で、いずれも半数以上になっていました。 『家族・近親者』に禁煙を勧められると、2割超の人(24.2%)が意識の変化があったことを認めています(「禁煙意識に変化があり禁煙のきっかけになった」+「禁煙意識に変化があり禁煙に挑戦したが断念した」+「禁煙意識に変化はあるが禁煙はしない」)。同様に『友人・知人』では17.0%、『職場の同僚』では14.8%が意識の変化があったという回答をしています。 周囲から禁煙を勧める場合に、禁煙意識を変化させるには『家族・近親者』からの勧めが一番効果的であると言えます。

設問8:あなたは、禁煙外来、禁煙具のCMを視聴されたことはありますか。

【CM視聴による禁煙意識の変化 喫煙経験者全体グラフ】

3002936_42

喫煙経験者(現喫煙者+以前に喫煙していた時期がある人)に、禁煙外来や、禁煙具のCM視聴によって、禁煙に対する意識に変化があったかどうか尋ねたところ、一番高かったのは「CM視聴したことはない」で、ともに4割超となっています。 “CM視聴により意識に変化があるか”という観点で見ると、禁煙外来・禁煙具ともに約2割の方が意識の変化を認めています(それぞれ、20.7%、19.8%)。

価格設定・タバコにまつわるエピソード

タバコの価格を尋ねたところ、喫煙者は値下げを、非喫煙者は値上げ望む結果が明白に出ています。 喫煙者で値上げを望む回答も得られていますが、価格が上がれば禁煙意欲に作用するという裏事情があるかもしれません。 それから、喫煙者/禁煙成功者/非喫煙者それぞれの、タバコにまつわるエピソードをお聞きしました。

設問11:タバコの価格は、1箱(20本入)いくらくらいが良いと思いますか。

【タバコの適正価格 喫煙者/非喫煙者別グラフ】

3002936_51

1箱(20本入)のタバコの適正価格を尋ねました。 「400円~500円未満」のライン(現状価格)で区切ると、喫煙者においては、7割超の方の『値下げ希望』という結果が出ています。最も高いのは「200円~300円未満」の32.4%で、これは10年~20年以上前の価格帯になっています。 反対に、禁煙者(非喫煙者)では、7割超の方が、『値上げ希望』という結果になっています。最も高いのは「1000円~」の41.2%で、現在の倍以上の価格帯を挙げており、喫煙者にはとてもシビアな回答になっています。

設問10:あなた自身のタバコにまつわるエピソードをお知らせください。

タバコにまつわるエピソード
  • 【 現在喫煙している方 】
  • いまやどこに行っても喫煙所はないので苦戦してます(47歳、男性)
  • ここ10年くらいは、喫煙することがストレスになるほど周囲の目が変わってきている。(61歳、男性)
  • タバコを売っているのに喫煙場所がない場所が多いので疑問、矛盾を感じる。(65歳、男性)
  • どうも喫煙=悪い が定着している。 税金も払っているのに、何でこんなに迫害されるのか。 吸っているだけで、マナーが悪いように見られる(36歳、男性)
  • 飲食店で禁煙が多くなって喫煙できる場所を探すのに苦労している(59歳、女性)
  • 仕事帰りビールを飲みながら煙草を吸うのが生きがいです。(48歳、女性)
  • 迷惑と言われたことはないが非喫煙者に気を遣うべき(47歳、男性)
  • 1000円で4箱買っていた時期に比べると今は2箱しか買えない。不景気でこずかいも減って苦しい。(33歳、男性)
  • ここ数年は自宅の換気扇下以外では吸わない。外出時もたばこを持参しない。(54歳、女性)
  • 喫煙所が少なくなっていて、タバコを吸うのに遠い場所まで行かないといけないので 同僚に仕事をサボっていると思われることがある。(28歳、男性)
  • 禁煙な場所も増えたが世間が妙に健康思考だからほっとく感じ。自分は自分 。ただしルールは守る。(39歳、女性)
  • 若い人ほど、たばこと酒に縁がなく、部下とコミュニケーションがとりにくい。(43歳、男性)
  • 魔女狩りのような嫌煙活動は勘弁して(60歳、男性)

    【 禁煙に成功した方 】
    • 40年前にたばこをやめて、時々夢で吸っている自分を見て、情けないと思うことがある。(68歳、男性)
    • すえる場所も限られるし、探すの大変だし、においや健康にもよくないから値上げと共ににきっぱりやめました。(32歳、男性)
    • やめてみたら劇的に体調が変わった(43歳、男性)
    • レストランで、隣の人がタバコを吸っていて、食事の味がわからなくて、腹が立った。(52歳、女性)
    • 以前はかなり吸っていましたが、さすがに禁煙しました、 やはり太りました。(64歳、女性)
    • 喫煙していた時は、かなりマナーや周囲に気を使っていたつもりでしたが、禁煙してみると煙草の煙の迷惑さ加減が想像以上のものだということに改めて気付き反省した。(57歳、男性)
    • 自分はかっこいいと思って吸っていたが、健康や周りへの影響を考えるとばかなことをしていたなと思った。(40歳、女性)
    • 人が吸うことには反対しませんが、その影響を禁煙者が受けることには反対です。(57歳、女性)
    • 精神的に落ち着かないときは、タバコは本当に役に立つ(41歳、男性)

    【 喫煙したことがない方 】
    • タバコのにおいがすると、通過するまで息を止めています。(65歳、男性)
    • とにかく臭い、周囲で食事している人がいようが自分が食事していなければ喫煙するというタイドがむかつく。喫煙しているというだけで気分を害する(50歳、女性)
    • パチンコ店で隣の席の人がタバコを喫い始めるとがっかりするけれど、残念ながらパチンコ店で禁煙・分煙などということはまずないので我慢するしかない(57歳、男性)
    • レストランで分煙してても煙は来るので 食事が美味しくなくなる。(28歳、男性)
    • 飲み会で先輩に「煙草吸っていい?」と聞かれ、 いやだったけど先輩なので「いいですよ」と言うしかなかった。 (27歳、女性)
    • 煙のニオイでむせいてしまう。特に、バス停ですっているのが多いが、ポイ捨てがひどすぎる。タバコをすうなら、マナーをわきまえて欲しい。(44歳、女性)
    • 混んでいる電車で前に立った人の上着がたばこ臭くて気持ち悪くなった。(24歳、男性)
    • 子供連れで飲食店で平気で喫煙している親がいるが副流煙について何も思わないのかと疑問に思う(41歳、女性)
    • 自分は吸わないので臭いに敏感で、少しでも臭うと洋服や髪の毛が臭くなり不快(49歳、女性)
    • 小学生のころ、歩きたばこをしている人のタバコが手にあたり、やけどしたことがある(27歳、男性)

    じわじわと増税し「値上げ」されてきたタバコ。喫煙環境の変化として具体的に何かを感じていたわけではないのですが、気が付けば「あれ、みんなタバコ止めちゃうの?」といった感が漂ってきました。 私自身は喫煙者なのですが、いまいち『禁煙』に踏ん切りがつかない。 そんな時、フッと浮かんで来ました。「他の喫煙者の人はどう考えているのか」、「非喫煙者の人は、喫煙者をどんな目線で見ているのか」。 調査の結果、【喫煙人口は減少傾向】にあるようです。しかも、【禁煙・分煙の風潮は推進】されるのが既定路線のようです。 【禁煙外来・禁煙具・分煙・マナーについてのテレビCM】を目にする機会が増えてきたと思っていましたが、視聴したことはないという方が多く見受けられ、啓蒙活動としてはまだ弱いのかなと感じます。 タバコの価格設定について、【喫煙者が値下げを望む】ことは想定していましたが、直接関係ない【非喫煙者が値上げを望む】という結果に驚きを隠せません。 喫煙者のマナーについて話題に上がりますが、個人的に今回の調査で一番刺さったのは【臭い】。 自分でも気になることがあるのですが... また、意外にも(?)【禁煙に成功した方、挑戦した方が多く】、希望が持てました。