調査日時:2014年4月25日(金)~4月28(月)
時事
2014年4月1日から、消費税が5%から8%に引き上げられましたが、皆さんはそのことをそのように実感していますでしょうか。
また、増税前に何か購入したものはありますか。
消費税増税に対して、皆さんがどう思っているのか、20代~60代のバルクルーメンバーに、お聞きしました。
※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。
調査概要
調査方法 |
Webアンケート方式 |
調査対象 |
20代~60代男女(バルクルーメンバー) |
アンケート参加者数 |
合計1,072人
男性533人(年代別内訳: 20代/107、30代/107、40代/106、50代/105、60代/108)
女性539人(年代別内訳: 20代/107、30代/107、40代/108、50代/107、60代/110) |
調査日時 |
2014年4月25日(金)~4月28(月)
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調査機関 |
株式会社バルク |

アンケート結果トピックス
- 外税表示は計算しづらい!内税、外税表示は混ぜないで!!
消費税増税の実感として、「日頃買い物する時税抜きと税込表示が混ざっている」の割合が
最も多く76.0%、次いで「税抜き表示だと、8%が計算しづらい」(69.1%)、
「ハガキ、手紙などの郵送料金の値上げ」(46.9%)となっています。
- 今回消費税増税された3%はここに使って欲しい!
今回増税された3%分を使ってほしい項目は、「年金」の割合が最も多く52.0%、
次いで「介護・福祉」(39.4%)、「雇用対策」(29.4%)、「子育て・教育」(27.7%)
となっています。
- 消費税増税の理由は知ってても・・・やっぱり10%への引き上げは反対!
消費税増税の理由は「よく知っている」が18.6%、「何となく知っている」が49.9%とな
り、消費税10%に引き上げ「賛成」が27.2%、「反対」が72.8%となっています。
消費税5%から8%に引き上げられた実感
皆さんはどんなところで消費税増税、税率変更を実感しているのでしょうか。
また、消費税率が8%に引き上げられる前に、いわゆる駆け込み需要として、どんなものを買ったのでしょうか。
消費税増税から約1ヶ月が過ぎようとしている今(アンケート実施時)、消費税増税の実感についてお聞きしました。
設問1:2014年4月1日から、消費税は5%から8%に引き上げられましたが、あなたは実感がありますか。
【消費税増税の実感 性年代別グラフ】

消費税増税の実感をお聞きしたところ、全体では8割以上の人が『実感している(「とても実感している」+「やや実感している」)』となっています。
性年代別で見ると、『実感している』割合は50代女性が93.5%で最も高く、次いで40代女性が86.1%、60代女性が83.6%となっています。30代女性は、「とても実感している」の割合が47.7%で一番高くなっていました。
男性より女性、特に中高齢の女性の方が実感している割合が高い結果となりました。
設問2:具体的にどのようなところで消費税増税、税率変更を実感していますか。
【消費税増税を実感したところ(場面・内容) 性別グラフ】

前問で、消費税増税を『実感している(「とても実感している」+「やや実感している」)』と回答した方に、消費税増税、税率変更をどのようなところで実感しているか尋ねたところ、全体では「日頃買い物する時税抜きと税込表示が混ざっている」の割合が最も高く76.0%、次いで「税抜き表示だと、8%が計算しづらい」(69.1%)となっており、いずれも『実感している』人の半数以上がまずはこの2点で実感している結果となっていました。
男女別で見ると、生活関係の「日頃買い物する時税抜きと税込表示が混ざっている」、「税抜き表示だと、8%が計算しづらい」、「ハガキ、手紙などの郵送料金の値上げ」、「電気・水道・ガスの料金の値上げ」などの項目は女性の方が実感している人が多く、特に「ハガキ、手紙などの郵送料金の値上げ」は、16.9ポイントの差が見られました。
男性は「電車賃はICカードと切符運賃の料金が違う」、「ETC割引の廃止や高速道路の料金が変わった」、「タクシー料金の値上げ」などの電車・車など交通面で実感している人が多くなっていました。
設問3:消費税率が8%に引き上げられる前に買ったものはありましたか。
【消費税率が8%になる前に買ったもの 性別・年代別グラフ】

消費税率が8%に引き上げられる前に買ったものは、全体では「生活必要品」が最も多く32.3%、次いで「嗜好品」(16.4%)、「家電製品」(14.6%)となっています。
男女別で見ると、「生活必要品」は女性で4割を超えるのに対して、男性は2割程度となっています。それ以外の項目も女性の方が男性より買ったものが多くなっています(「自動車、バイク」以外)。
年代別で見ると、40代が最も多く買い物しており、次いで30代、50代、60代となっています。
20代は、「特に買わなかった」の割合が一番高くなっています(56.1%)。
全体では「特に買わなかった」の割合が48.2%となりました。
理由としては、
「一生分買い占めることはできないし、無駄なあがきにしか思えなかった。安物買いの銭失いと同じことに感じた。(27歳、女性)」
「買いだめしても、短期間分であんまり意味がないから。(56歳、女性)」
「過去の増税の時買いだめに走ったが増税後の価格が下がったものが多数商品であった経験から。(67歳、男性)」
といった回答がありました。
消費税増税後の節約について
増税した3%は、あなたならどこに使って欲しいでしょうか。
また、増税後、生活をどこまで節約しているのか、「衣食住」の場合は、削られるのはどこからなのか、探ってみました。
設問5:今回消費税増税された3%は何に使ってほしいと思いますか。
【増税された3%を使って欲しいところ 性別・年代別グラフ】

今回増税された消費税3%分は何に使ってほしいかを尋ねたところ、全体では「年金」の割合が最も高く52.0%、次いで「介護・福祉」(39.4%)、「雇用対策」(29.4%)、「子育て・教育」(27.7%)となっています。
上記4項目は、いずれも男性より女性の方が高くなっていました。また、女性は、「復興・被災地への支援」や「危機管理(地震などの対応)」も、男性より高くなっています。
【増税された3%を使って欲しいところ 年代別項目ランキング表】

年代別に項目のランキングをしてみたところ、20代は「雇用対策」(42.5%)、「年金」(37.9%)が上位ランクイン、30代は「年金」(40.7%)、「子育て・教育」(37.9%)が上位ランクインとなっていました。「子育て・教育」については、20代(29.9%)や40代(29.0%)もランクインしていました。
40代~60代は「年金」(40代:58.9%、50代:58.5%、60代:63.8%)、「介護・福祉」(40代:34.6%、50代:46.7%、60代:55.0%)が上位ランクインしています。
それぞれの年代が関心を持っていることが見える結果となっています。
設問6:2014年4月以降にあなたはどの程度節約をしていますか。
【増税後の節約について 性別・年代別グラフ】

増税後(2014年4月以降)にどの程度節約をしているかを尋ねたところ、全体の61.4%が『節約している(「かなり節約している」+「やや節約している」)』という結果となりました。
年代別で見ると、40代の『節約している』割合が最も高く67.3%、次いで50代(64.7%)、30代(62.1%)となっています。
設問7:具体的にどの部分で節約していますか。
【増税後に節約している項目 性別・年代別グラフ】

前問で、2014年4月以降に、『節約している(「かなり節約している」+「やや節約している」)』と回答した方に、具体的にどの部分で節約しているかを尋ねたところ、全体では「衣類・ファッション雑貨費」の割合が最も高く54.3%、次いで「食費(お菓子、お酒などの嗜好品)」(43.8%)、「外食・飲み会費」(40.9%)となっています。
性別で見ると、女性の節約意向は「衣類・ファッション雑貨費」や「美容・理容費」に出ており、男性より10ポイント以上高くなっています。一方、男性の節約意向は、「レジャー・旅行費」に出ており、女性より10ポイント以上高くなっています。
【増税後に節約している項目 年代別項目ランキング表】

年代別に項目のランキングをしてみたところ、1位はどの年代も「衣類・ファッション雑貨費」となっており、2位以下の項目は、それぞれの年代の優先順位は違うものの、上位に挙がっている項目はほとんど同じものになっていました。
節約については年代が上がるにつれ割合が高くなっており、60代と20代は、約100ポイントの差が見られました。
消費税が8%から10%に引き上げられることについて
消費税増税法の成立に伴い、次は2015年10月に消費税が10%に引き上げられる予定ですが、皆さんはそのことをどう思っているのでしょうか。そもそも、増税の理由をあなたはご存知でいらっしゃいますか。
また、次回の増税前に買っておきたいものがあるのかどうかもお聞きしました。
設問8:消費税を引き上げなければならない理由をご存知ですか。
【消費税引き上げ理由の認知 性別・性年代別グラフ】

消費税を引き上げなければならない理由を知っているかどうかを尋ねたところ、全体では『知っている(「よく知っている」+「何となく知っている」)』の割合が68.5%となり、消費税増税の理由は多くの方が知っているとの結果になっています。
男女別で見ると、男性の方が女性より『知っている』の割合が高く(男性:75.0%、女性:62.0%)、10ポイント以上の差が見られます。
性年代別で見ると、男女ともほぼ、年代が上がるほど消費税増税の理由を知っている方が多い傾向が見られます(ただし、30代男性は、20代男性より『知っている』の割合が1ポイント低くなっています)。
設問9:消費税増税法の成立に伴い、2015年10月に消費税は10%に引き上げられる予定ですが、あなたはどう思っていますか。
【消費税10%に引き上げに対する賛否 性別・性年代別グラフ】

消費税増税法の成立に伴い、2015年10月には消費税が10%に引き上げられることに対して、賛成か、反対かを聞いたところ、全体では「賛成」が27.2%に対して「反対」が72.8%となっています。
男女別で見ると、男性の方が女性より「賛成」と答えた人が多く、約9ポイントの差があります。前問の結果のように男性の方が消費税増税の理由を知っている方が多いので、その影響で賛成している人が多い可能性も考えられます。
性年代別で見ると、男性の20代、30代、50代、60代は賛成する人が3割を超えています。それに対して女性は、20代は3割に近いものの、すべての年代が3割を下回り、中でも40代女性は13.9%と最も低くなっています。男女とも40代が低いのは、何か共通した要因があるのでしょうか。
設問11:2015年に消費税は10%に引き上げられる場合、増税前にあなたが買っておきたいものはありますか。
【消費税が10%に引き上げられる前に買っておきたいもの 性別・年代別グラフ】

2015年に消費税が10%に引き上げられるとした場合に、増税前にあなたが買っておきたいものがあるかどうかを尋ねたところ、全体では「生活必要品」が最も多く19.4%、次いで「家電製品」(18.8%)、「嗜好品」(9.7%)となっています。
男女別で見ると、「自動車、バイク」が女性(6.3%)より男性(9.6%)がやや高い以外は、いずれも女性の方が高い結果となっています。「生活必需品」や「靴、洋服、バック」は10ポイント弱の差が見られます。
年代別で見ると、30代は20代よりやや下がるものの、年代が上がるほど、買っておきたいものが減る傾向が見られます。
消費税増税賛否の理由(自由回答)
約7割の方が消費税増税の理由を認知しているのに、増税に賛成している方は3割未満に留まっています。その理由は何なのでしょうか。
最後に、消費税増税に賛成や反対のご意見、増税で困っていることや悩んでいることについてお答えいただきました。
設問10:2015年10月に消費税は10%に引き上げられることで、賛成と反対の理由をお書きください。
設問11:消費税増税で困ってることや、悩むことなどがありますか。ご自由にお書きください。
【 消費税が10%に引き上げられることに「賛成」の理由 】
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- 仕方なくの賛成です。東北の復興支援も少子化で高齢者は多く財源が なければ日本国は潰れてしまうわけです。 生きたお金を明瞭で納得できる税の使い道をしてくれることを願います(64歳、女性)
- 一部報道では消費税17%でも国家黒字は無理との報道がある。他国と比較しても10%でも安い現状、更なる増税は必須。10%は他国との約束での既定路線であるから、反故にするようならば国債へ悪影響が出る。10%の先を今の内閣で決めるべきだという立場から。(34歳、男性)
- 日本の借金が1千兆円を超えているため、これ以上借金を増やすわけにいかない。(66歳、男性)
- 子や孫に借金を残したくない!(58歳、女性)
- 有意義な使い方をすることが前提ですし、できれば物によって税率を変えるべきだと考えていますが、とにかく財政赤字が軽減方向へ動くことを優先させるべきだとおもうので。(51歳、女性)
- 野田元総理が考えていたように使用されるのであれば、どちらかといえば賛成。 只、今回8%に増税した分がどのように使われているかは報告がなければ反対。(29歳、女性)
- これ以上、国の借金を増やすべきではないから、むしろ遅すぎるくらいだと思う。(58歳、女性)
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【 消費税が10%に引き上げられることに「反対」の理由 】
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- その前に政府として出来る事をして欲しい。民間とそうでない公営の給料・待遇が違いすぎる。公務員(一部)市役所等で働いている人が17時や18時で帰るのはあり得ない。普通の民間企業はサービス残業は当たり前。みんな21時22時まで毎日働いている。政府が最大限に節約をして、それでもダメなら消費税をあげるべきだ。(27歳、女性)
- すぐに増税しようとせずに、支出の無駄を削減して欲しいと思うので。(特に生活保護費。無駄に払い過ぎ。)(35歳、女性)
- 使用用途が良く分からない。公務員の給与が元に戻って引き上げになった、まず公務員・国会議員の経費・給与削減から。(48歳、男性)
- 国民の負担だけが多くなっていて国会議員などの定数削減などの項目については何も触れられていないことと、今回3%増税したことで本当に本来の目的に使われているのかを国民が納得できるように数字として公表していないので反対です。(42歳、女性)
- そもそも税金の使途に疑問がある。ろくに無駄の削減もせずに安易に増税に頼る政治が信じられない。「公共事業」と称するバラマキ、「票集め」に使われるのが目に見えている。(48歳、男性)
- 議員、地方公務員の総数と給与の削減もしないで増税はおかしい。(60歳、女性)
- 入ってくる給料は少ないのに取られる一方なのはおかしい。必要のないものに税金を無駄遣いしている国や地方自治体は許せない。(40歳、女性)
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【 消費税増税で困ってることや、悩んでいること 】
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- 自分が商品を買うところは、税抜価格で表示されているところが多いため、税込みの値段を計算するのがめんどくさい。(27歳、男性)
- 今まで税込み表示で売っていたものにまるまる8%上乗せして売る店が続出していると思います。税込み価格ならすでに5%乗っているので、それプラス3%にすればいいのに8%が乗せられているのには納得できない。あと、外税表示は一体いくらなのか全く分らないから困る。瞬時に計算できない。(44歳、女性)
- 小銭を使う頻度が増て、煩わしいし、財布の小銭入れが膨れてしまって財布がパンパンになり形が変形しやすそうで困っています。(54歳、女性)
- レコード会社勤務なのですが、商品を即売する際、売る側も計算がしずらかったり、高く見えるような気がして申し訳ない気持ちになったり、手間や時間も相当かかり、お客様にとってのメリットはひとつもなく心苦しいです。(47歳、男性)
- 子どもにかかる費用がこれから増えていく時期なので、節約して貯蓄を頑張らないと先行きが不安で仕方ない。(40歳、女性)
- 今現在はないが、老後が心配。(60歳、女性)
- 自分の生活においては特にない。少しずつ節約したり、生活を見直したりすればよいだけの話なので。(46歳、女性)
- 老後の保障もどんどん厳しくなり生活がどんどん圧迫されていく のでどうなっていくのだろうと思う、短寿大国でもいいから 不幸な老後は送りたくない。(61歳、女性)
- 老後の生活を保障してくれるのなら何パーセントになっても 協力しなければならないと思っています。(58歳、男性)
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消費税が5%から8%に引き上げられて約1ヶ月(アンケート実施時)、外税表示の税金計算が分かりにくいと感じている人、税金が上がったことで生活費を工夫している人、将来のことで不安になったりしている人がかなりいるようです。
一方で、日本の経済赤字、負債などを心配している人も少なくないようです。
増税に賛成する人は全体の3割弱(27.2%)でしたが、増税の理由を認知している人(Q9で「よく知っている」+「何となく知っている」と回答した方(全体の68.5%))に限って見てみると、増税に賛成する人は3割超(33.5%)となり、僅かですが多くなっていました。
反対の多くは「公務員・国会議員の経費・給与削減に触れず、政府の努力が見えてない」「増税した3%の用途を国民が納得できるように数字として公表してない」といった原因でした。
国の努力や増税の用途が国民に見える形にすれば、賛成する人がもっと増えるのではないかと思いました。