読書に関するリサーチ結果 | バルクのマーケティングリサーチ・市場調査

Vol.83 読書に関する調査

現代社会において読書離れ、活字離れが増加していると言われています。 実際人々はどのくらい読書をしているのでしょうか。 また新たな読書ツールとして誕生し、1年以上が経った電子書籍をどのように捉えているのでしょうか。  そこで今回は、10代~60代のバルクルーメンバーに、「読書」について聞いてみました。

※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。

調査概要

調査方法 Webアンケート方式
調査対象 20代~60代男女(バルクルーメンバー)
アンケート参加者数 合計1,074人 男性534人(年代別内訳: 20代/106、30代/107、40代/107、50代/109、60代/105) 女性540人(年代別内訳: 20代/104、30代/109、40代/113、50代/110、60代/104)
調査日時 2014年2月19日(水)~2月21(金)
調査機関 株式会社バルク

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アンケート結果トピックス

    • 「推理小説」が1番人気!!
    •  年間読書冊数が最も多いジャンルは「推理小説」(4.8冊)となりました。  次いで、「文学・評論・エッセイ」(4.5冊)、「趣味・実用」(4.1冊)と続いています。
    • 書籍の購入場所は「大型書店」と「インターネット」が主流!!
    •  書籍の購入チャネルでは「大型書店で購入」(58.2%)が最も高くなっており、  次いで「インターネットで購入」(53.6%)が続いています。
    • 電子書籍の利用率は約2割!!
    •  電子書籍の利用経験がある人は全体で2割程度となりました。  最も高かったのが30代、最も低かったのが60代となりました。

読書頻度・読書量について

現在、若者を中心に「読書離れ・活字離れ」が進んでいると言われていますが、人々の読書の頻度はどのようになっているのでしょうか。 また読書時間はどのように変化しているのでしょうか。

設問1:あなたは普段、どの程度読書をしますか。ジャンルごとにあてはまるものをお選びください。

【読書の頻度 ジャンル別グラフ】

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年間読書冊数(※1)について、ジャンル別で見ると、「推理小説」が4.8冊で最も高くなっています。次いで、「文学・評論・エッセイ」(4.5冊)、「趣味・実用」(4.1冊)と続いています。 今回のアンケートでお聞きした全15ジャンルにおいて、『半年に1冊以上』の割合がいずれも4割を下回っており、全体的に低い水準となっています。過半数の人がほとんど本を読まないという結果になっています。 (※1)年間読書冊数について 年間読書冊数は、各読書冊数を下記の数字に置き換え、各ジャンルの数を掛けたものを、全体の数で割ることにより算出しています。 それ以下…0冊  半年に一冊程度…2冊  2~3ヶ月に1冊程度…5冊  月に1冊程度…12冊  月に2~3冊程度…30冊   月に4冊以上…48冊

設問2:あなたは1年前と比べて、読書の量はどのようになりましたか。ジャンルごとにあてはまるものをお選びください。

【読書量の増減 ジャンル別グラフ】

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各ジャンルごとに、1年前と比較して、読書量の増減をお聞きしたところ、読書量の増加率(※2)が最も高いのは、「医学・科学」の10.6%、次いで「人文・思想」(3.6%)、「資格・語学」(2.0%)となっています。 これに対し、増加率が低いのは「推理小説」(-10.4%)、「その他小説」(-10.3%)となっています。 「ライトノベル」を除く『小説』(4ジャンル)が総じて10%近く減少しており、読書離れの一因となっていることが窺えます。 また、全15ジャンル中12ジャンルで読書時間が減少しているという結果になりました。 (※2)『読書時間の増加率(%)』 = ( 「増えた」+「やや増えた」 )-( 「やや減った」+「減った」 )

読書時間の増減理由・書籍入手状況について

どのような理由で、読書時間が増加または減少しているのでしょうか。   またアマゾンや楽天などのネット販売が普及している中、書籍購入場所(入手方法)はどのようになっているでしょうか。

設問3:あなたの読書の時間が増えた理由であてはまるものをお選びください。

【読書時間増加理由 性別グラフ】

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読書時間の増加理由と減少理由をお聞きしました。 まず、読書時間の増加理由は、「読みたい本が増えたから」(45.9%)が最も高くなっています。 次いで、「読書に興味があるから」(35.6%)、「テレビがつまらなくなったから」、「自己啓発のため」(ともに26.8%)が続いています。 男女別で見ると、女性は男性に比べ、『読みたい本は増えている』ことが窺えます(「読みたい本が増えたから」15.2ポイント差)。

設問4:あなたの読書の時間が減った理由であてはまるものをお選びください。

【読書時間減少理由 性別グラフ】

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上記に対し、減少理由は「読みたい本が減ったから」(25.2%)が最も高く、僅差で「生活環境が変わったから」(24.8%)、「携帯電話・パソコンを使うから」(24.4%)となっています。 男女別で見ると、男性は「読みたい本が減ったから」(32.2%)、女性は「生活環境が変わったから」(29.4%)がそれぞれ最も高い割合となっています。

設問5:あなたは、普段読む本をどのように入手していますか。あてはまるものをお選びください。

【書籍の入手状況 性別グラフ】

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普段読む書籍の入手状況を尋ねたところ、「大型書店で購入」(58.2%)が最も高くなり、次いで「インターネットで購入」(53.6%)となりました。 ネットショッピングが普及している現在、半数以上が「インターネットで購入」しており、欠かせない購入手段となっているようです。 また男女別では、「図書館で借りる」、「知人・友人に借りる」といった購入以外の入手方法について、男性に比べ女性の割合が高く、差が目立っています。

電子書籍について

この1~2年間で、アマゾンの「Kindle」、楽天の「kobo」、ソニーの「Reader」をはじめとする様々な種類の電子書籍リーダーが発売されています。またリーダーに限らず、スマートフォンでの購読も多くなっています。 徐々に普及している電子書籍を皆さんはどのように捉えているのでしょうか。

設問7:あなたは電子書籍を利用したことがありますか。

【電子書籍利用の有無 性別・年代別グラフ】

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電子書籍の利用経験は「利用したことがない」が約8割(79.6%)を占めています。 『利用経験あり』は全体で約2割であり、年代別で見ると、30代、20代が約3割で高く(それぞれ28.7%、27.1%)、「60代」が最も低い(9.6%)結果となりました。

設問8:あなたはどの端末機器で電子書籍を利用したことがありますか。あてはまるものをお選びください。

【電子書籍利用端末機器の内訳 性別・年代別グラフ】

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上記の設問で、電子書籍を「利用したことがある」と答えた方に、利用端末機器を尋ねたところ、一番高いのは「スマートフォン」(50.7%)で、次いで「パソコン」(37.9%)、「タブレットPC」(35.2%)となっていました。 性別・年代別で見ても、一番高いのは「スマートフォン」でした(60代は除く(※))。 「電子ブックリーダー」は、『20代』(22.8%)、『40代』(20.0%)が2割台となっています。 (※)「60代」はn数僅少のため参考値扱い

設問9:あなたは電子書籍を利用してみたいと思いますか。

【電子書籍利用意向 年代別グラフ】

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電子書籍を「利用したことがない」と答えた方に、利用意向を尋ねたところ、『利用意向あり』( 「利用してみたいと思う」 + 「やや利用してみたいと思う」 )が15.5%となっています。 『利用意向あり』については、年代別では、特に違いは見られませんでしたが、『利用意向なし』(「あまり利用してみたいと思わない」+「まったく利用してみたいと思わない」)は、60代が6割以上(64.0%)で一番高くなっていました。

設問10:あなたにとって電子書籍の魅力に感じる点はなんですか。あてはまるものをお選びください。

【電子書籍の魅力 性別グラフ】

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電子書籍の魅力を尋ねたところ、「置き場所(スペース)を取らない」(45.6%)が最も高くなっており、次いで「多くの書籍を持ち歩ける」(31.7%)となっています。 男女間で目立った違いは見られず、一番大きな差でも、「多くの書籍を持ち歩ける」の6.3ポイントでした。 電子書籍の最大のメリットは、購入のしやすさや価格の割安感より、スペースを取らずに、集約して持ち歩けるという、物理的な利点の方が大きいことが窺えます。

お気に入りの一冊(自由回答)

あなたにとっての「お気に入りの一冊」とその理由をうかがいました。   意見の多かったものベスト3をランキング形式でまとめてみました。

設問11:あなたのお気に入りの1冊のタイトルとその理由を教えてください。

【 第1位 「永遠の0」 】  (n=15)
  • 一人のゼロ戦パイロットの物語。時代の違い、心の持ち方に心の奥を垣間見れた気がします。(59歳、女性)
  • 英霊の方々が日本をお守り下さったことがよく分かるから。(36歳、女性)
  • ただただ泣ける・・・(39歳、男性)
  • 推理小説のような面白さもあったから。(47歳、女性)

【 第2位 「三国志」 】  (n=10)
  • 何回も繰り返し読んでいても、面白く思えます。(41歳、男性)
  • 30年来の愛読書。(50歳、男性)
  • 読みごたえあり。(27歳、男性)

【 第3位 「赤毛のアン」 】  (n=7)
  • 子供の頃に読んで以来ずっと大好きな作品。その世界観になごんで懐かしい気がする。ずっとよみかえせる作品だと思う。(36歳、女性)
  • 最初に読んだのは小学生の頃ですが、今でも愛読書で、気が向いたときに読んでます。カナダの美しい自然を思い描きながら、アンとともに泣いたり笑ったりしています。(50歳、女性)

【 第3位 「竜馬がゆく」 】  (n=7)
  • 歴史の勉強とともに自分を鼓舞できる。(42歳、男性)
  • 生き方を考えさせられる。(54歳、男性)
  • わくわくするところ。(51歳、女性)

近年、読書離れが進んでいると囁かれています。今回の結果でも実際に読書をする時間が減っていることがわかりました。私自身、1ヶ月に1冊以上は本を読むので、この結果には少し驚きました。 そんな中、「推理小説」がよく読まれているのは、映画やドラマなどの原作として使用される頻度が高いことが影響しているのではないかと感じました。   近年新たに読書のツールとして誕生した電子書籍の魅力としては、「紙媒体が1つの端末機器に集約できる」ということが最大のメリットと感じている人が多いようです。また今後の利用意向については、すべての年代で15%前後という結果となりました。個人的にはあまり高くないと感じましたが、みなさんはどのように感じましたか? 現在読書時間が減って書籍の売上も年々減少しており、電子書籍の普及も伸び悩んでいるような気がします。 今後、ますます読書離れは進んでいくのでしょうか。