調査日時:2013年11月20日(水)~11月25日(月)
メディア
地デジ化やCS放送の発達など、テレビはここ数年でめまぐるしい進化を遂げています。最近では安価で大型液晶テレビも買える時代となり、世間の注目はテレビに向きがちになっています。
では一方で、テレビより古くから情報媒体として活用されてきたラジオについて、現代のみなさんはどのように接しているのでしょうか。
そこで今回は、20代~60代のバルクルーメンバーに、「ラジオ」について聞いてみました。
※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。
調査概要
調査方法 |
Webアンケート方式 |
調査対象 |
20代~60代男女(バルクルーメンバー) |
アンケート参加者数 |
合計1,095人
男性538人(年代別内訳: 20代/104、30代/105、40代/109、50代/110、60代/110)
女性557人(年代別内訳: 20代/113、30代/111、40代/112、50代/112、60代/109) |
調査日時 |
2013年11月20日(水)~11月25日(月) |
調査機関 |
株式会社バルク |

アンケート結果トピックス
- 最も身近なものは“カーラジオ”!!若者はスマホの割合も上昇!?
ラジオを聴くための手段(機器)として、「カーラジオ」が最も高い結果となりました。
日々の生活の中で、車の中が、ラジオに最も身近に触れる機会なのかもしれません。
また20代は「スマートフォン」や「パソコン」といった、サイマルラジオを用いたもので、
他の年代より高い傾向が見られました。
- AM放送とFM放送は目的で使い分けている!!
AM放送は主にニュースなどの情報取得手段として用いられ、
FM放送は音楽やBGMを聴くための手段として用いられているという結果となりました。
また「トーク番組」や「バラエティ番組」は、FM放送でも番組が増えており、AM放送と共に高い割合となりました。
- 青春時代の深夜ラジオが関係!?
ラジオの聴取有無の割合は、年齢に比例して高くなる結果となりました。
また中高生時代に深夜ラジオを聴いていた割合についても、50代をピークに年代が上がるほど高くなっており、若い頃からラジオを聴く習慣がついていることが、現在もラジオを聴く要因となっているのかもしれません。
ラジオを聴く時間について
ラジオを聴いている割合は、AM放送(以下「AM」)、FM放送(以下「FM」)それぞれ約4割程となり、いずれかの放送を聴いている割合は約半数程となりました。
聴取する時間帯は、平日朝のAMと、休日日中(午後)のFMで特に高い割合となっており、放送局や曜日の違いにより傾向に差が見られることがわかりました。
聴取する時間帯は年代によっても違いがあるようで、平日のAMの聴取時間帯でその傾向が強く見られます。
設問2:あなたは現在、1週間にどのくらいの時間、ラジオを聴きますか。AMとFMそれぞれについて、あてはまるものをお選びください。
【ラジオ聴取頻度 AM・FM別 性別グラフ】

1週間でラジオをどのぐらい聴くか尋ねたところ、AMでは全体の35.7%が『聴いている』(「聴いていない」以外)と答えており、FMでは全体の40.9%が『聴いている』と答えています。
男女別では、AM、FM共に男性の方が、ラジオを聴いている割合が高くなっています。
【ラジオ聴取有無 性別・年代別グラフ】

AM、FMいずれかで、「現在“ラジオ”を聴いている」という割合は、全体で50.4%とほぼ半数となっています。男女別で見ると、男性は59.9%が「聴いている」となっており、女性に比べ男性の割合が高くなっています。
年代別に見ると、年代が上がるにつれ聴いている割合も高くなり、60代は約2/3となる63.5%が「現在ラジオを聴いている」という結果になっています。
設問3:ラジオを聴くことがある時間帯を、平日と休日それぞれについてお答えください。
【ラジオ聴取時間帯 平日・休日別グラフ】

平日・休日別に、ラジオを聴く『時間帯』を訊いたところ、平日では、AMは「5-9時」が34.8%で最も高く、FMは「12-18時」が29.9%で最も高い結果となりました。AMとFMを比較すると、日中はFMの割合が高く、朝や深夜はAMの割合が高くなっています。
一方休日は、AM、FM共に「12-18時」が最も高く、特にFMは40.2%と他の時間帯に比べその割合が高くなっています。
また「聴かない」という割合はAM、FM共に平日に比べ休日の方が高く、ラジオに接する機会は平日の方が多いことが窺えます。
【ラジオ聴取時間帯 AM平日 年代別グラフ】

AMの聴取時間帯を年代別で見てみると、AMの平日において大きな傾向の違いが出ています。50代・60代の高齢層は主に「9-12時」「12-18時」で全体より割合が高くなるなど、日中の聴取頻度が高いことが窺えます。
一方20代や30代は日中に比べ「21-24時」「0-5時」といった夜間帯、深夜帯の割合が高い傾向が見られます。特に「21-24時」は20代が42.6%で最も高くなるなど、年代が若いほど割合が高くなっています。同様に「0-5時」も20代の割合が最も高く、年代が上がるにつれ割合が低くなっています。
このように18時を境に、ラジオを聴く年代がガラリと入れ替わっていることが窺えます。
ラジオを聴く状況について
ラジオを聴くための機器(手段)については、「カーラジオ」が他の機器に比べ高い割合となりました。
年代別では特に40代・50代の割合が高くなっています。一方20代は、「スマートフォン」「パソコン」の割合が高く、世代間で傾向に違いが見られます。
また聴取する場面についても「移動しながら(自家用車)」の割合が高く、こちらでも改めて「カーラジオ」がラジオを聴く手段として多く用いられていることが窺える結果となりました。
設問4:どのような機器でラジオを聴きますか。
【ラジオ聴取機器 性別グラフ】

ラジオをどのような機器で聴いているかについては、「カーラジオ」が54.0%と半数を超え、最も高い割合となっています。これは2番目に高い「ラジオ(据置きタイプ)」(22.1%)の倍以上の割合となっており、「カーラジオ」の割合が圧倒的に高い結果となっています。
また近年増えている、パソコンやスマートフォンを使ったインターネットサイマルラジオの割合にも注目で、男性は「パソコン」が21.4%と、「カーラジオ」に次いで2番目となっています。
【ラジオ聴取機器 年代別一覧表】

ラジオ聴取機器について年代別に見ると、全体で最も多い「カーラジオ」は特に40代、50代で多く、40代は6割を超えています。また60代は「ラジオ(据置きタイプ)」「ラジオ(携帯用)」といった従来型のものの割合が高い傾向が見られます。
一方20代は「パソコン」が39.3%で最も高く、同じサイマルラジオの「スマートフォン」も28.6%と高く、どちらも他の年代に比べ割合が高い結果となっています。
設問5:どのような場面でラジオを聴きますか。
【ラジオ聴取場面 AM・FM比較グラフ】

ラジオを聴く場面については、AM、FM共に「移動をしながら(自家用車)」の割合が最も高くなっています。(AM:48.1%、FM:57.4%)
これは前問の聴取機器で「カーラジオ」が最も高かったのに比例しており、車を利用するシーンでラジオを聴く機会が多いことが改めて窺えます。
次いでAMは「家でくつろぎながら」(29.7%)、「起床時・起床後」(23.8%)と、FMは「家でくつろぎながら」(31.3%)、「家事をしながら」(15.8%)と続いています。
ラジオを聴く目的について
聴取するジャンルについては、AMは「トーク番組」「ニュース・報道番組」の割合が高く、FMは「音楽番組」の割合が高くなるなど、それぞれの放送媒体ではっきりと結果が分かれました。
目的についても、ジャンル同様にAMで「ニュースを聴くため」、FMで「BGMとして」が高く、AMが『情報取得のため』、FMが『音楽視聴のため』という使い分けがされていることが窺えます。
設問6:どのようなジャンルの番組を聴きますか。
【ラジオ聴取ジャンル AM・FM比較】

ラジオで聴取しているジャンルについては、AMとFMではっきりと差が出ており、リスナーがそれぞれに何を求めているかがはっきりと出ています。
AMは「トーク番組」が57.3%で最も多く、次いで「ニュース・報道番組」(54.0%)、「バラエティ番組」(28.6%)と続いています。
一方、FMは音質の良さから「音楽番組」が70.1%ととても高い結果となっています。ただし、近年FMラジオでもトークを主体とした番組が増えてきており、「トーク番組」の割合も48.3%と高いものになっています。
設問7:どのような目的でラジオを聴きますか。
【ラジオ聴取目的 年代別数表<AM>】

AM、FMそれぞれについてラジオを聴く目的について聞いてみたところ、AMは「ニュースを聴くため」が46.3%で最も高く、次いで「気分転換のため」(32.0%)、「特定の好きな番組を聴くため」(29.7%)と続いています。
年代別では、20代が「特定の好きな番組を聴くため」(41.0%)、「好きなタレント・アーティストの番組を聴くため」(34.4%)、「好きな音楽を聴くため」(27.9%)の割合が高く、他の年代と傾向の違いが出ています。
【ラジオ聴取目的 年代別数表<FM>】

FMの聴取目的は「BGMとして」が49.3%で最も高く、次いで「好きな音楽を聴くため」(38.8%)、「気分転換のため」(36.4%)と続き、音楽視聴目的がメインとなっています。
年代別では、50代が「BGMとして」の割合が60.9%、20代が「特定の好きな番組を聴くため」の割合が40.8%とそれぞれ全体に比べ高くなっています。
【ラジオ聴取目的 AM・FM比較】

改めてラジオの聴取目的をAMとFMで比較すると、AMは「ニュースを聴くため」(46.3%)や「スポーツ中継を聴くため」(22.0%)、「交通情報を確認するため」(17.4%).の割合が高く、『情報取得媒体』として活用されていることが窺えます。
一方のFMは、「BGMとして」(49.3%)や「好きな音楽を聴くため」(38.8%)、「気分転換のため」(36.4%)など、音楽を聴くことをメインとして利用されていることが窺えます。
ラジオに関する経験について
中高生の頃に「深夜ラジオ」を聴いていたか尋ねたところ、全体の約4割が「毎週聴いていた」という結果となりました。
年代別に見ると、年代が上がるにつれ聴取頻度が上がる傾向が見られ、50代は6割以上が「毎週聴いていた」となっています。
ハガキやFAX、メールなど、ラジオ番組への投稿については、全体の約1/4が投稿経験があり、そのうち半数以上が「読まれたことがある」という結果となりました。年代別ではこちらも50代の投稿経験が高い結果となっています。
また持ち運び可能な携帯ラジオの所有割合は5割程となっています。
設問8:あなたは中高生の頃に、深夜ラジオを聴いていましたか。
【深夜ラジオ聴取頻度 性別・年代別グラフ】

中高生(12~18歳)の頃に、俗にいう“深夜ラジオ”を聴いていたかについて尋ねたところ、「特定の番組を毎週聴いていた」が30.8%、「番組は決まっていないが、毎週聴いていた」が8.9%となり、約4割(39.7%)の人が『週に1度は必ず聴いていた』という結果になっています。
年代別では、20代から年代が上がるにつれ「特定番組を毎週聴いていた」の割合が高くなり、50代で48.6%とピークに達しています。50代の方が中高生の頃(1960年代後半~70年代)は『オールナイトニッポン(ニッポン放送)』や『JET STREAM(JFN)』など現在も続く人気深夜番組が始まっていることもあり、ラジオの深夜放送が当時の若者から多くの支持を得ていたのかもしれません。
※“深夜ラジオ”について、今回は特に定義を設けておりません。
設問9:あなたは今までにラジオ番組にハガキやFAX、メールなどを投稿したことがありますか。また投稿したものが読まれた経験はありますか。
【ラジオ番組へのハガキ投稿経験 年代別グラフ】

ラジオ番組へのハガキの投稿経験については、「投稿し、読まれたことがある」という割合は全体で16.0%となっています。また「投稿したことはあるが、読まれたことはない」は8.7%となり、全体の1/4(24.7%)が投稿経験があるとしています。このように投稿経験があるうち、半分以上の方が読まれた経験があることがわかります。
年代別で見ると、投稿経験についても前問同様、50代の割合が高く(32.9%)、「読まれたことがある」割合も唯一2割を超えています。
設問10:あなたは持ち運び可能なラジオをお持ちですか。お持ちの場合は、何年ほど前からお持ちか、お答えください。
【携帯ラジオ所有時期 全体グラフ】

携帯ラジオの所有については、全体の半数以上となる51.7%の人が『持っている』としています。
所有し始めた時期については、「11年以上前から」が15.2%で最も多く、次いで「何年前かわからない」が14.7%、「6~10年ほど前から」が5.0%で続いています。
先ごろ発生した東日本大震災が発生した2011年(2年前)以降から所有している割合は7.7%に留まっています。所有していない割合が半数近くいることから、震災をきっかけに所有するようになった割合はあまり高くないと考えれらます。
近年、テレビやインターネットの普及により、ラジオ離れが囁かれています。今回の結果からも、若年層ほどラジオを聴く割合は減っていることがわかりました。今やテレビが一家に一台ではなく、一人一台の時代となり、ラジオの需要はかなり減っているのかもしれません。
そんな中、聴取手段として「カーラジオ」がとても高い結果だったことから、改めて“テレビが入り込めない領域”があることも再確認できました。確かにテレビを搭載した車もありますが、運転中は基本的には観ることができません。そういったラジオしか踏み込めない部分があるということも、ラジオが利用され続ける理由のひとつなのかもしれません。そして、この先も必要とされ続けるのだろうなぁ、としみじみ感じました。
私自身、学生時代はAMの深夜ラジオを毎日のように聴いておりました。多感な頃に、様々なことをラジオから吸収し、今に活かされているような気もします。普段テレビでは見せないタレントの素の部分を見る(聴く?)ことができたりするのもハマっていた要因かもしれません。
ふとラジオをつけてみると、共感できるハガキの投稿ネタ、地域のニュース、懐かしの名曲など、思いがけない発見があるかもしれません。「最近聴いてないな」という方は、一度この機会にラジオを聴いてみてはいかがでしょうか。