美容院・理髪店に関するリサーチ結果 | バルクのマーケティングリサーチ・市場調査

Vol.56 美容院・理髪店に関する調査

美容院、理髪店、1,000円カット、髪を切るとき、どんなところに行っていますでしょうか。 利用頻度や1回にかける費用、お店を選ぶポイントなど、今回は、10代~60代のバルクルーメンバーに、美容院・理髪店の利用状況について聞いてみました。

※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。

調査概要

調査方法 Webアンケート方式
調査対象 10代~60代男女(バルクルーメンバー)
アンケート参加者数 合計1,202人 男性598人 (年代別内訳: 10代/76、20代/102、30代/105、40代/105、50代/105、60代/105) 女性604人 (年代別内訳: 10代/79、20代/105、30代/105、40代/105、50代/105、60代/105)
調査日時 2012年1月6日(金)~1月11日(水)
調査機関 株式会社バルク

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アンケート結果トピックス

    • 今どきの「お洒落男子」は美容院通いがふつう?!
    • 普段髪を切る場所は、女性の9割弱が「美容院」、男性の7割弱が「理髪店・理容店」。  男性の「美容院」利用者は、全体で見ると2割強。  そのうち、20代男性は、「美容院」、「理髪店・理容店」利用がほぼ同じ割合(4割台)  でした。
    • 1回あたりの施術平均金額は、4,700円。
    • 男性の平均金額は、3,055円、女性は6,240円。 男性の20代、30代、女性の40代が、他の年代よりお金をかけていました。
    • 価格より、場所(行きやすさ)を重視!そして、女性は店の雰囲気や、美容師の対応にもうるさい?!
    • 美容院・理容店を選ぶポイントとして重視しているのは、5割台の「価格」をおさえて、  「行きやすい場所にある」が7割、と高くなっていました。  また、女性は、「店の雰囲気がいい、入りやすい、居心地」、「美容師の対応」も  価格同様5割台で重視していました。

美容院・理髪店について

髪を切る場所や、美容院・理髪店に行く間隔についてたずねたところ、 性や年代によって異なった傾向が見られました。 女性は美容院、男性は理髪店、のイメージが強いですが、 性・年代別で見ると、若い男性の美容院通いが多い結果が表れていました。

設問1:髪を切るとき、どこで切ることが多いですか。

【髪を切るとき、よく行く場所 性別グラフ】

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「美容院に行く」人は、圧倒的に女性が多くなっていましたが、男性も2割強(23.6%)は美容院に行っていました。男女とも、1割強は、「自分で切って」いました(男性12.9%、女性13.9%)。

【髪を切るとき、よく行く場所 性年代別グラフ】

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性・年代別で見ると、10代から30代の男性は、3割以上が「美容院に行く」となっており、40代以上と比較すると、3~4倍近く高くなっていました。特に、20代男性は、美容院/理髪店・理容店の差がほとんどない結果となっており(それぞれ45.1%、47.1%)、30代になると再び「理髪店・理容店に行く」の割合が高くなっていました。 男性は、とりあえず20代のうちは美容院も試してみるけれど、やっぱり理髪店・理容店に戻っていく、ということでしょうか。若者男性のお洒落を気にしている一面も垣間見れます。

設問4:美容院・理髪店に行く間隔を教えてください。

【美容院・理髪店に行く間隔 性別・年代別グラフ】

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全体から見ると、「2ヶ月に1回」と回答した人が最も多く、35.7%となっており、次いで、「3カ月に1回」29.3%となりました。 男女別では、男性の約7割(69.7%)は「2か月に1回」以上行っているのに対して、女性の割合は4割強(44.1%)となっており、男性の方が頻度が高くなっていました。 また、年代別に見ると、「1ヶ月に1回」と回答した人は、10代は8.6%、20代は12.2%、30代は13.7%、40代は15.1%、50代は23.4%、60代以上は40.8%で、約4割を占めています。年齢が高くなるにつれて、美容院・理髪店に行く間隔が短くなる傾向がありました。

設問5:美容院・理髪店に行く前に予約をしていますか。

【美容院・理髪店に行く前の予約有無 性別グラフ】

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美容院・理髪店に行く前に予約するかを聞いたところ、女性は男性と比べて「予約する」(「必ず予約する]+「だいたい予約する」+「たまに予約する」)が2倍近くあり、それぞれ、女性74.1%、男性35.3%となっていました。 美容院には予約が必要な所が多く、女性が美容室に行く割合が高いことも影響しているのでしょう。

美容院・理髪店のサービスについて

サービスを受ける時の『担当者指名』については、女性が男性の2倍以上の割合で指名していました。 また、1回平均にかけている費用は、「4,700円」となっていました。あなたはそれより上でしょうか、下でしょうか。

設問6:担当者の指名をしていますか。

【担当者の指名有無 性別グラフ】

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全体から見ると、指名していない人が多く、68.2%となりました。 男女別では、男性より、女性が指名する人(「毎回している」+「時々している」)が多く、それぞれ17.7%、44.9%となりました。

設問7:美容院・理髪店で1回平均でかかる費用を教えてください。

【1回平均でかかる費用 性年代別グラフ】

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1回の平均金額の割合については、「3,000円~5,000円未満」が30.7%で一番多く、次いで「1,000円~2,000円未満」23.8%となっていました。 性・年代別に見ると、男性の多くは「1,000円~2,000円未満」の割合が3~4割を占めており、比べて女性は、8,000円以上の割合が2割以上占めておりました。

【美容院・理髪店1回平均金額 性年代別表】

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性・年代別に平均金額を出してみると、男性は20代、女性は40代が一番費用をかけていることがわかりました。 男性は、美容院に行く割合が高かった20代、30代が3,000円台でしたが、他の年代は2,000円台となっておりました。 女性は、10代はまだそれほどお金をかけることができず、3,000円台というのは分かる気がしますが、50代が5,000円台となっており、40代の7,000円台と比較すると2,000円以上差があるのは、子供が成長してお金がかかるようになって節約しているのか、「美」意識へのこだわりがやや低くなってきているのか、興味深い結果となっていました。

設問8:美容院・理髪店でよく受けるサービスをあてはまるものをお選びください。

【美容院・理髪店でよく受けるサービス 性別グラフ】

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美容院・理髪店でよく受けるサービスを聞いたところ、全体では、98.8%の人が「カット」、64.1%の人が「シャンプー・トリートメント」と回答しており、性別による差異はほとんど見られませんでした。 他のサービスでは、「カラーリング」(21.3%)、「パーマ」(14.0%)が続いており、女性の年代別で見ると、40代以上では4割~5割が「カラーリング」している結果となっていました。50代の女性は、他の年代と比較すると、「パーマ」の割合が低くなっており、前述の平均金額が下がっている要因も、そんな部分にも潜んでいそうです。

【美容院・理髪店でよく受けるサービス 性年代別グラフ(一部抜粋)】

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美容院・理髪店の選ぶポイントについて

美容院・理髪店を選ぶ際のもっとも重要なポイントは、価格を抜いて、「行きやすい場所にある」となっていました。 そして、男性より女性の方が、多くのポイントを気にしているようです。

設問9:理容室や美容院でサービス(カット、トリートメントなど)を受ける際に、あなたはどの様にしていますか。

【美容院・理髪店でサービスを受ける際の行動 性別グラフ】

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美容院・理髪店でサービスを受ける際の行動を聞いたところ、男女の行動がかなり異なっていました。 半数以上の男性(52.8%)が「特に何にもしない」と回答し、次いで「美容師と話す」24.4%、「雑誌を読む」18.1%となりました。 女性は7割以上(71.4%)の人が「雑誌を読む」と回答し、次いで「美容師と話す」53.3%となり、「特に何にもしない」を回答した女性が15.1%となりました。 女性が「雑誌を飲む」ことが多いのは、パーマやカラーリングなど、時間がかかる(時間を置く)施術が多いことも関係しているのでしょう。 また、つい先日、最近は「美容師と話す」ことを楽しみにしている人も多い、という話題をテレビが取り上げているのを見ましたが、アンケートの結果としても反映されているようです。

設問10:美容院・理髪店を選ぶポイントを教えてください。

【美容院・理髪店を選ぶポイント 性別グラフ】

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美容院・理髪店を選ぶポイントを聞いたところ、「行きやすい場所にある」が最も高く、73.0%となりました。次いで、「価格が手ごろ」56.3%、「店の雰囲気がいい、入りやすい、居心地」45.1%、「美容師の対応」36.8%、「技術がしっかりしている」30.3%となりました。 男女別で見ると、「行きやすい場所にある」、「価格が手ごろ」はほとんど差がありませんでしたが、続く「店の雰囲気がいい、入りやすさ、居心地」、「美容師の対応」、「技術がしっかりしている」などは、いずれも女性が高くなっており、美容院に対する女性の要求の高さが窺えます。 「美容師の対応」にいたっては、男性と女性とでは31.5ポイントも差があり、前述のサービスを受ける際の行動「美容師と話す」が、女性において高い結果となっていたので、必然的に「美容師の対応」もチェックポイントとして高くなっているといえるのではないでしょうか。

設問11:1,000円カットの美容院・理髪店を利用したことがありますか。

【1,000円カットの美容院・理髪店の利用状況 性別・利用金額別グラフ】

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1,000円カットの美容院・理髪店の利用状況については、男性の47.2%、女性の20.6%が「利用したことことがある(「利用したことがあるし、今後も続いて利用したい」+「利用したことがあるが、今後は利用したくない」)との結果になりました。 「利用したことがないが、チャンスがあれば利用してみたい」と回答した女性が31.8%となっておりました。 また、現在の1回あたりの平均金額別に見てみると、「2,000円~3,000円未満」、「5,000円~8,000円未満」の人の「チャンスがあれば利用してみたい」割合は4割を超えており(それぞれ40.1%、41.6%)、『1,000円』という金額に魅力を感じていることは分かります。もっと女性が気軽に入りやすい工夫などがあれば、利用者が増える可能性がありそうです。 ※15,000円以上はn数が少ないため割愛しました。

美容院や理容室のサービスについて(自由回答)

最後に、美容院や理容室で受けたサービス、良かったことと困ったことについて答えていただきました。

設問12:理容室や美容院で受けたサービスで、嬉しかった、良かったと感じたことがあれば教えてください。

設問13:理容室や美容院で、困ったことがあれば教えてください。

【 嬉しかった、良かったと感じたこと 】
  • ハーブティーを出してくれたのがとてもおいしかった。 (58歳、女性)
  • パーマの間に飲み物を出してもらったこと。雑誌が読みやすいように、大きなクッションを膝に置き、その上で雑誌が読めた。(28歳、女性)
  • 思わず寝てしまう位、心地よい対応だと良かったと思う。(47歳、男性)
  • 頭、首、肩、手等のマッサージ、シャンプーが丁寧で気持ちよい。飲み物を何度でも持って来てくれる。(34歳、女性)
  • 半年に一度しか来店しない自分のことを覚えていてくれたこと。(41歳、男性)
  • 足が悪いので、予約しておいたらいつも一番移動距離の少ない手前の席を私のために開けておいてくれるのが、とっても気づいかいと優しさを感じて嬉しい。(37歳、女性)
  • 結婚を祝ってくれた。(40歳、女性)
  • 風邪を引いた後に、汚い髪の毛で行きました。「汚くてすみませんね」と言ったら、「風邪は長引くと大変ですから、シャンプーは控えていいですよ、きれいに洗いますからね」と言われてとてもうれしかった。(75歳、女性)
  • 誕生日になると、お花が自宅に届けられること。(37歳、女性)

【 困ったこと 】
  • 綺麗な女の人にシャンプーしてもらうとドキドキする。(38歳、男性)
  • やたらと話しかける。・言いたくない事までしつこく聞かれる。・こちらから話しかけても全く無反応で、話にならない。・店内が忙しくなって、待ってくださいと言われたものの、放置状態になったのでは?と思うほど待ちがながかった事。・短めにカットをして欲しかったのに、少しずつ恐る恐るのカットになったため、異常に時間がかかってしまった事。(47歳、女性)
  • カラーリング中に、私が寝てしまったのをいいことに、忙しいために、そのままにされてしまい、髪の分け目まで染まってしまって、頭が怪我をして血だらけに見えるような状態になっても、担当美容師の謝罪も無く、直すこともしなかったので、1か月間は「頭の怪我は、大丈夫なの?!」と言われる状態が続いたこと。(50歳、女性)
  • 予約にもかかわらず、かなり待たされた時。シャンプー中にめっちゃ話しかけてくる男性スタッフ・・・(25歳、女性)
  • 担当の美容師さんが忙しいようで、シャンプーしたあとなのに、しばらく待たされて、寒かった。コロコロ人が変わるため、同じことを何度も聞かれてめんどくさい。(28歳、女性)
  • しつこい商品の売り込み。(45歳、女性)

髪を切るとき、女性は美容院、男性は理髪店をよく利用しているという結果になりました。男女とも行きやすい店、価格が手ごろなことを重視しています。さらに女性は雰囲気や入りやすさ、居心地、美容師の対応なども重視することを感じました。従来は女性は美容院、男性は理髪店という印象がありましたが、今回の結果で美容院に行く男性は2割以上となり、オシャレ好きな男性が多くなったと感じます。 最近駅構内や、街に増えてきた1,000円カットの美容院・理髪店の利用者が3割以上となり、男性の利用経験者は5割近くなっていました。女性は「利用したことがないし、今後も利用したくない」という人が5割弱いるものの、「チャンスがあれば利用してみたい」と答えた人も3割おり、もっと店舗が「行きやすい場所」にできる、など今後の展開によっては、女性の1,000円カット人気が上がるかもしれません。 美容院も理髪店も、「人」対「人」のサービスです。技術はもちろんですが、それ以外の『心』を感じる部分も大切だなぁ、と自由記入に目を通しながら思いました。 テレビや雑誌で「カリスマ美容師」がもてはやされた時期もありましたが、今は自分にとっての身近なカリスマ美容師(理容師)を見つけようとしている時代なのかもしれません。