Vol.37 コミケ(コミックマーケット)に関する調査
調査日時:2010年8月27日(金)~9月6日(月)
社会・意識・文化
コミケ(コミックマーケット)とは、コミックマーケット準備会が主催する同人誌即売会のことで、回を重ねるごとに大規模化し、2010年8月に行われた『コミックマーケット78』では総参加者数が3日間で56万人を越え、屋内で行われるイベントとしても世界最大級のイベントになるまで成長しました。 参加者の男女比では女性のほうが割合が多いと言われており、今回バルクでは10代から30代の女性に対して『コミケ(コミックマーケット)』についてアンケートを実施しました。
※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。
調査概要
調査方法 | Webアンケート方式 |
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調査対象 | 10代~30代女性(バルクルーメンバー) |
アンケート参加者数 | 合計1,052人 (年代別内訳: 15-19歳/210、 20-24歳/211、 25-29歳/210、 30-34歳/211、 35-39歳/210) |
調査日時 | 2010年8月27日(金)~9月6日(月) |
調査機関 | 株式会社バルク |
アンケート結果トピックス
- コミケ参加者の壁は25歳!? 20代前半以下から、コミケへの積極的な興味関心が増加。 あなたはコミケ(コミックマーケット)に行ったことがありますか。 『行ったことがある』15.6%、『行ったことがないが、行ってみたい』16.0% 『行ったことがある』が一番多かった年代は20-24歳で20.9% 『行ったことがないが、行ってみたい』が一番多かった年代は15-19歳で37.1%
- コミケに参加する女性はニコニコ動画、Twitterのヘビーユーザー? 『コミケ(コミックマーケット)に行ったことがある』と回答した方は、『ニコニコ動画』の利用率が56.6%と、未参加者と比べて2倍以上の利用率。 『Twitter』や『GREE』『モバゲータウン』なども積極的に活用。 また、ゲーム機器では『プレイステーション関連のゲーム機器』の所持率が高く、ブログでは『FC2ブログ』の利用率が高い。
コミケ参加経験
過去にコミケに参加した経験があるかどうか聞いてみました。
設問1:あなたはコミケ(コミックマーケット)に行ったことがありますか。
【コミケ参加経験 全体グラフ】
『行ったことがある』が15.6%、『行ったことがないが、行ってみたい』が16.0%で、経験している方、興味を持っている方を合わせて約3割いました。
また、『コミケ(コミックマーケット)を知らない』も30.2%で約3割いました。
【コミケ参加経験 年齢別グラフ】
年代別でみますと『行ったことがある』が一番多かった年代は20-24歳で20.9%、『行ったことがないが、行ってみたい』が一番多かった年代は15-19歳で37.1%でした。
10代は『行ったことがある』と『行ったことがないが、行ってみたい』合わせて約5割(50.4%)で、コミケへの興味度の高さが伺えます。
20代以降年代が高くなるにつれ、『行ったことがある』『行ったことがないが、行ってみたい』ともに割合が下がっています。
25歳の年齢にある壁は何か・・・?
25歳=1985年生まれで、彼女たちが中学1年生の時は1998年です。物心ついて自由ができてきた時にはコミケが東京ビックサイトで開催されていて、行こうと思えば行けるイベントになっていました。
つまり、コミケの存在が世間一般に知られるようになって身近な存在になっていたことが、25歳未満の女性がコミケに対して抵抗が低い要因なのではないかと思われます。
特に、姉妹、兄弟がいる場合に、年長者の影響を受けていることも考えられます。
『コミックマーケット78』について
では、今年の夏に開催されたコミケの参加有無を聞いてみました。
設問2:2010年8月13日(金)-15日(日)に東京ビックサイトで開催された『コミックマーケット78』に参加しましたか。
【『コミックマーケット78』参加状況 全体グラフ】
『コミケ(コミックマーケット)に行ったことがある』と回答した方を対象に、『コミックマーケット78』の参加について聞いたところ、『参加した』が31.7%(内訳『一般(買い物)で参加した』24.4%、『サークル(作り手)で参加した』4.3%、『一般(買い物)でもサークル(作り手)でも参加した』3.0%)、『参加したかったが会場に行けなかった』が24.4%でした。
【『コミックマーケット78』参加状況 年齢別グラフ】
年代別でみますと『参加した』が一番多かった年代は25-29歳で37.2%、続いて20-24歳で36.4%と20代で参加した方が多かったようです。
10代は『行ったことがある』と『行ったことがないが、行ってみたい』合わせて7割(75.0%)を越えて、今回の夏コミへの興味度はかなり高かったようです。
『参加したかったが会場に行けなかった』という割合が、低年齢層を除いては、ほぼどの年代でも均一的に存在していることからも、年代を問わず、コミケに行きたいと思っている潜在的な需要があることが伺えます。
こうした潜在需要を満たしているのが、同人誌ショップであったり、同人系のダウンロード販売サイトであると考えられます。
ゲーム機器、ブログ、SNSサービス・コミュニティサービス・動画サービスについて
コミケ(コミックマーケット)に行ったことがある人とない人で、どのような差が出るのか集計してみました。
設問3:あなたが現在所有していて実際に使用しているゲーム機器を選んでください。
【ゲーム機器所有状況 コミケ参加状況別グラフ】
『コミケ(コミックマーケット)に行ったことがある』と回答した方は、その他の方と比較して、『プレイステーション2(PS2)』が51.2%【29.2%】、『プレイステーションポータブル(PSP)』が26.2%【13.9%】、『プレイステーション』が25.0%【11.9%】、『プレイステーション3(PS3) 』が17.1%【7.7%】と、プレイステーション関連ゲーム機器の所持率が高いです。
※【】内は『コミケ(コミックマーケット)に行ったことがある』以外を回答した方の数字
据え置き型のゲームは家族で所有という可能性も考えられますが、それにしても半数以上の所有率があるという事実は
ゲーム機の浸透率の高さが伺えます。
また、携帯可能なゲーム機器、個人使用を主とするゲーム機器の所有率の高さも、オタクであるか否かを問わず、ゲームが女性層に浸透している事実を表しています。
設問4:あなたが現在利用しているブログサービスを選んでください。
【ブログ利用状況 コミケ参加状況別グラフ】
『コミケ(コミックマーケット)に行ったことがある』と回答した方は、その他の方と比較して、『FC2ブログ』が23.8%【9.7%】、『楽天ブログ』が9.1%【3.9%】、『JUGEM』が7.9%【2.0%】の利用率が高いです。母数は少ないですが、『yaplog!』や『ココログ』も利用率が高いです。
『FC2ブログ』では『行ったことがないが、行ってみたい』と回答した方も19.6%という高い利用率でした。
※【】内は『コミケ(コミックマーケット)に行ったことがある』以外を回答した方の数字
設問5:あなたが現在利用しているSNSサービス・コミュニティサービス・動画サービスを選んでください。
【SNSサービス・コミュニティサービス・動画サービス利用状況 コミケ参加状況別グラフ】
『コミケ(コミックマーケット)に行ったことがある』『行ったことがないが、行ってみたい』と回答した方は、『行ったことがないし、行ってみたいと思わない』『コミケ(コミックマーケット)を知らない』と回答した方と比較して、動画サイトでは『ニコニコ動画』56.6%【17.9%】の利用率の差が大きいです。
また、『Twitter』26.8%【14.2%】や『GREE』26.2%【11.8%】、『モバゲータウン』21.7%【10.7%】のゲーム系も利用率が高いです。
※【】内は『行ったことがないし、行ってみたいと思わない』『コミケ(コミックマーケット)を知らない』と回答した方の数字
『ニコニコ動画』の利用率が高いのは、独特のコメントシステムや会員制の仕組みをとるなど、コミュニティーの側面があることや、アニメ系コンテンツや同人サークルが制作したオリジナルコンテンツが他のサイトと比較して豊富にアップされていることから、オタク属性のある人々の好みに沿っていることが一因として考えられます。
『ニコニコ動画』は、2007年度グッドデザイン賞受賞、日本オタク大賞2007大賞受賞の経歴があります。