自動車に関するリサーチ結果 | バルクのマーケティングリサーチ・市場調査

Vol.35 自動車に関する調査

一昔前は、所有することが一種のステータスにもなっていた自動車。しかし、最近はそのような考え方も多様化し、逆に維持費や置く場所などの面から所有しないという方もいるようです。実際、今現在はどのような自動車との付き合い方をされているのでしょうか。今回はそのあたりについて調査してみました。

※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。

調査概要

調査方法 Webアンケート方式
調査対象 10代~60代男女(バルクルーメンバー)
アンケート参加者数 合計1,271人 男性635人(年代別内訳: 10代/106、20代/105、30代/106、40代/106、50代/106、60代/106) 女性632人(年代別内訳: 10代/106、20代/106、30代/106、40代/106、50代/106、60代/106)
調査日時 2010年4月15日(木)~4月21日(水)
調査機関 株式会社バルク

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アンケート結果トピックス

    • あなたが自動車を選ぶとき重視することについて、5段階評価でお答えください。 ※現在自動車を所有していない人も、重視すると思われることを想像してお答えください。 (価格)
    • 【とても重視する】57.2%、【やや重視する】33.3%、   【どちらともいえない】7.7%、   【あまり重視しない】1.4%、【まったく重視しない】0.4%
    • (車体性能)
    •   【とても重視する】23.1%、【やや重視する】46.9%、   【どちらともいえない】23.1%、   【あまり重視しない】5.6%、【まったく重視しない】1.3%
    • あなたは運転は得意ですか。
    •   【とても得意である】15.3%、【やや得意である】34.4%、   【どちらともいえない】30.5%、   【あまり得意ではない】15.5%、 【まったく得意ではない】4.3%

車の選択基準

自動車を所有している、もしくは欲しいと思っている方にとって、自動車を選択する際にどんな要素を重視して決定しているのでしょうか。項目ごとに5段階評価で尋ねてみました。

設問1:あなたが自動車を選ぶとき重視することについて、5段階評価でお答えください。 ※現在自動車を所有していない人も、重視すると思われることを想像してお答えください。

【自動車を選ぶときに重視すること 項目別グラフ】

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様々な項目を比較したところ、重視すると答えた方が9割と圧倒的だった項目は「価格」でした。次いで「燃費」となり、金銭面から車を選択すると考える方が多いことが窺えます。さて、その次に来たのは「車体性能」や「ブランド」等を抑えて、「外観デザイン」になりました。「性能」などの実用面も決して重要度は低くは無いのですが、見た目というのは燃費とほぼ変わらない重要性だということが分かると思います。

【自動車を選ぶときに重視すること 項目別性別グラフ】

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続いて各項目に対して男女の差を比較してみたのが上のグラフになります。全体的な傾向として、ほとんどの項目が女性の方が重視していることが分かります。唯一「車体性能」は男性の方が重視しているようです。目立って女性の方が重要だと思うと差が出たのは、「車体カラ―」や「外観デザイン」「内装デザイン」「環境対策」「収納」などです。男性より女性の方がどうやら車の選択はシビアに見るようです。

自動車の所有状況について

では、実際のところ自動車の所有率や今現在は所有はしていないが所有したいと思う割合はどのような感じなのでしょうか。免許の所有とも合わせてその辺りについても調べてみました。

設問2:あなたは、あなたご自身や同居するあなたのご家族が使用する自動車をお持ちですか。 ※自分名義以外でも使用できる車があれば「所有している」の項目をお選びください。 ※免許取得が出来る年齢ではない場合は、「免許を持っていない」に含めてください。

【自動車所有状況と免許保有状況 年代別+東京都のグラフ】

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全体では自動車も免許も「所有している」と答えた方は64.7%となりました。しかし、これは10代や20代の、年齢的や経済的に自動車や免許を所有しづらい層も含めている数字です。そのため、30代以降からの傾向を見ると30代40代の自動車と免許両方の所有率はそれぞれ、83.5%、81.2%になり、かなり多くの方がこのくらいの世代から両方を所持していることが分かります。 特に電車の交通網が発達している東京都について調べてみると、やはり全体のデータに比べ車や免許の所持率は少ないようです。維持費や駐車場等の問題もあり、車は持たなくてもいいと考える人も少なくないのかもしれません。

設問3:あなたは自分名義の自動車を所有したいと思いますか。

【自動車所有意向 性別+東京都グラフ】

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【自動車所有意向 性別・年代別グラフ】

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続いて、自動車を所有していない方に自動車を所有したいかどうかを聞いてみました。男性は将来的には欲しいと思っている方が半数を僅かに超えるくらいでしたが、女性や東京都などではおおよそ7割程度の方は欲しいとは思っていないことが明らかになりました。

運転について

車で移動する際には、当然運転という行為が必要です。免許は多くの方が持っていますが、運転のスキルは自信のある方もない方もあると思います。ここでは、得意かどうかと合わせて今までの運転の履歴についても尋ねてみました。

設問4:あなたは運転は得意ですか。

【運転が得意か 性別グラフ】

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【運転が得意か 年代別グラフ】

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「得意である」と答えた方が全体の約半数くらいでした。逆に「得意ではない」と答えた方は2割程度でした。 男女別でみると、男性は全体に比べ「得意である」と答える割合が増え、「得意でない」と答える割合は減少しました。男性は自信がある方が多いようです。逆に女性は「得意である」が約4割、「得意ではない」が約3割と、男性と比べると運転は苦手と思う方が多いようです。 年代別に見ると、10代は免許を取得したての人が多いためか、あまり自信がない(「得意ではない」)方が多いのも分かります。やや目を引くのが、30代の方が全体と比べると「得意である」と答える割合がやや少なく、40代の方は「得意である」と答えた割合が一番多くなっているということです。

設問5:あなたがこれまでご自分で運転されたことや車に関することなどについて当てはまるものをすべてお答えください。

【運転経験と車に関する経験 性別グラフ】

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【運転経験と車に関する経験 年代別グラフ】

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続いてこれまでの運転歴でこういうことをしたことがあるかというものを尋ねてみました。 ・(免許取得後)高速道路に乗ったことがある ・雪道を走ったことがある ・高さ100M以上程度昇降する山道を走ったことがある ・海外の道路を走ったことがある ・(免許取得後)縦列駐車したことがある ・現在ゴールド免許である ・現在初心者である(免許取得後1年以内) ・二輪免許など他の車種も運転できる ・自分でタイヤ交換が出来る ・セルフガソリンスタンドを利用したことがある ・レンタカーを利用したことがある ・カーシェアリングを利用したことがある ・これらの項目には一つも当てはまらない それらとともに、男性と女性の運転歴も比較した結果も一緒に調べてみました。 例えば男女間のゴールド免許率は同じくらいでした。一方例えば雪道や山道を走ったというような経験などは男性に比べ女性の比率は少なくなるようです。 またタイヤ交換の経験などは男性の60%程度に対して女性は10%程度になっています。 参考までに年代別のグラフも作成しました。10代20代ではまだ運転し始めで経験がないことも多いようなのですが、30代を超えるになると全体的に同じような傾向になるようです。

欲しい自動車・リコール問題について

ここではフリーアンサー(自由回答)でお答えいただきました。一つはこういう自動車があれば良いと思うことについて、もう一つは主に2009年から2010年に起きたブレーキの作動に関するトヨタの大規模リコールについてです。様々な考え方や感想を頂きました。一部しか掲載できないのですが、ご意見をご紹介します。

設問6:こういう自動車があれば良いと思うことはありますか。ご自由にお答えください。

設問7:主に2009-2010年にアメリカを発端に起こりましたトヨタの大規模リコールについて、あなたの思うところをご自由にお答えください。

【こういう自動車があれば・フリーアンサー】
  • 燃費が良くて、乗りやすくて、大勢乗れる車。(20歳 女性)
  • 長時間運転しても疲れが少ないシートがあること。(64歳 女性)
  • 洗車しなくても綺麗に保てるボディ。(36歳 女性)
  • 真横に移動できる自動車(28歳 男性)
  • 交通事故が発生したとき直前からの状況を再生できるモニターカメラつきの機能があればいい(60歳 男性)
  • 映画Back to the futureに出てきた浮く自動車(33歳 女性)

【リコールについて・フリーアンサー】
  • アメリカが日本のメーカーを狙い撃ちしたものだと思う。(33歳 男性)
  • トヨタの後手後手の対応のまずさもあるが、政治問題化されたふしもある。(46歳 女性)
  • 実際のところ故障が事実だったのか分からなかったのではっきりしてほしい。(19歳 女性)
  • 日本バッシングだと思うが、最初に問題を隠したのはいけない。これを機会にやりなおしてほしい(43歳 女性)
  • トヨタだけの問題ではなく、各メーカーに共通の問題だと思う。(54歳 男性)
  • 直ぐに解決が図れると見誤ったところが、多分に見受けられる(40歳 男性)

こういう自動車があればというフリーアンサーでは、電気自動車への期待などや先程のグラフにもあった燃費に関してのご意見が多かったです。現実的な回答が多かったですが、空飛ぶ自動車や渋滞中に上から眺められるといったようなユニークな回答もありました。 また、リコール問題については、アメリカの対応が過剰だったのではないかというご意見を多数頂きました。一方トヨタの大企業ゆえの細部へのフォローが行き届いていなかったのではなどの意見も頂きました。 最近では高速道路の料金の再見直しやガソリン価格の上昇など次々と新しい問題が生まれつつあるようです。これからの自動車社会に対してどう向き合っていくか。普段運転される方もそうでない方も、このレポートがちょっと立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。