選挙に関するリサーチ結果 | バルクのマーケティングリサーチ・市場調査

Vol.24 選挙に関する調査

第45回衆議院議員総選挙が2009年8月18日に公示され、8月30日には投票が行われます。各政党・候補者による選挙活動が活発なこの時期に、選挙への関心などについて尋ねてみました。

※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。

調査概要

調査方法 Webアンケート方式
調査対象 20代~60代男女(バルクルーメンバー)
アンケート参加者数 合計1,060人 男性530人(年代別内訳: 20代/106、30代/106、40代/106、50代/106、60代/106) 女性530人(年代別内訳: 20代/106、30代/106、40代/106、50代/106、60代/106)
調査日時 2009年8月7日(金)~8月14日(金)
調査機関 株式会社バルク

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アンケート結果トピックス

    • あなたの選挙への参加頻度についてお尋ねします。
    • 【欠かさずに参加している】45.7%、【大体参加している】32.4%、 【2回に1回程度は参加している】4.3%、【あまり参加していない】6.6%、 【ほとんど参加していない】5.9%、【一度も参加したことは無い】5.1%
    • あなたは特定の政党への支持はありますか。
    • 【ある】33.8%、【ない】66.2%
    • 今回(第45回)の衆院選で各党が掲げたマニフェスト、あなたは確認しましたか。
    • 【大体確認した】16.7%、【趣旨程度は確認した】58.4%、 【確認していない】24.9%

選挙への参加について

20歳で選挙権、25歳や30歳で被選挙権が与えられる現在の選挙。議員選挙や首長選挙など、様々な選挙が行われています。では有権者の方々の参加比率はどの程度なのでしょうか。性別、年代別、地域別でそれぞれ調査してみました。 (※初めて投票する層を考慮し20代については25歳~29歳でグラフを作成)

設問1:あなたの選挙への参加頻度についてお尋ねします。

【選挙への参加頻度 性別グラフ】

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【選挙への参加頻度 年代別グラフ】

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【選挙への参加頻度 地域別グラフ】

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全体での参加頻度について、「欠かさずに参加している」、「大体参加している」と答えた方を合わせると8割弱の方が積極的に参加していることが分かりました。性別で調べてみると、男性の方が若干参加頻度が高いようです。 続いて年代層別に見ると、60代の方の参加頻度が極めて高く、経験した選挙回数が少ないことを加味しなければなりませんが、20代の若年層の参加率は他の年代に比べ、半分以下の低い結果になっていました。また、地域別では、都市部より地方の方がやや参加状況が高いようですが、大きな違いは見られませんでした。
ZOOM UP! 若年層の参加意欲は割と低めですが、理由は何故でしょうか。参加頻度が少ない方で、特に20代の方のご意見を紹介します。 ・どこの政党も似たり寄ったりで投票に行く価値を感じない。(26歳 男性) ・興味ない、誰であろうと、大きくは変わらない。(26歳 女性) ・どの候補者が当選しても、経済的には変化が無い。(24歳 男性) ・票を入れたいと思う候補者がいない。(29歳 男性) ・住民票があるところに住んでいなかったから。(22歳 女性)

支持政党の有無

選挙や政治でクローズアップされるのは政党ですが、どの程度の方が支持を決めている政党があるのでしょうか。また、無党派層はどの程度いるのでしょうか。性別、年代別に調査してみました。

設問2:あなたは特定の政党を支持していますか。

【支持政党の有無 性別グラフ】

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【支持政党の有無 年代別グラフ】

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男性の方が支持を決めている政党がある方が多く、女性は無党派層が多い結果になりました。 また、年代別にみてみると20~40代では全体平均より支持政党が無い方が多いですが、60代では、過半数の方が支持政党があることが分かります。前出の参加頻度の集計と合わせて見ると、特に若年層の無党派層の投票の状況がどう動くかによって、選挙結果に影響が出そうなので、その部分が重要視されている理由が分かります。

参考にしているメディア

どんなに優れた政策も、それが有権者・国民に伝わらなければまったく把握できずに終わってしまいます。各候補者・各党が公約・マニフェストを打ち出し、それを元に投票を決定するわけです。 では、有権者は一体何を参考にしているのでしょうか。各メディアやあるいは演説を直接聞くなどの手法ごとに調査しました。

設問3:あなたが投票の際に参考にする媒体・メディア等についてお尋ねします。

【投票の際に参考にするメディア・媒体 全体グラフ】

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テレビと新聞が参考にされている二大巨頭になっています。どちらも8割に近い方が参考にされているようです。同じマスコミの中でも雑誌・本などはあまり参考にはされていないようです。 選挙カーなどは、参考にしないと回答する方が半数近くになっており、自由回答でもあまり良い印象は持たれていないようです。結果からすると参考にされやすいテレビや新聞は特に選挙結果に対し影響を与えやすいので、報道する側も細心の注意を払う必要性があるといえます。

マニフェストについて

昨今、マニフェストと呼ばれるいわゆる政権公約集を各党・各個人が打ちだし、実現可能を目指した具体化された政策を提示することが行われています。今回の選挙でも注目されているポイントですが、どの程度の方が実際に確認されているのでしょうか。

設問4:今回(第45回)の衆院選で各党が掲げたマニフェスト、あなたは確認しましたか。

【マニフェストを確認したかどうか 年代別グラフ】

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マニフェスト全体まで「大体確認した」方は少数ですが、「趣旨程度は確認した」と回答している方と合わせると、確認している方が7割を超えているようです。 調査実施日が若干早めではあったのですが、割と多くの方々がマニフェストに対し関心を持っていることが分かります。

選挙について思うこと

選挙について様々なことについて調査してきました。ここでは、自由回答で寄せられたご意見を、一部になりますがご紹介します。

【インターネット投票について 全体グラフ】

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特に、今回は政権交代が焦点になっているからか関心が高いコメントが見受けられました。一方、選挙のシステムの改良やマニフェストを守るかといったことにもコメントを頂き、不満も少なからずあるようです。一票の重さについての改善についてもご意見を頂いています。 また、今回インターネット投票の是非についてもお聞きしました。「出来ればネットで投票したい」が64.5%となっておりました。少なからず問題点はありますが、今後の選択肢の一つとして検討してもらうのも良いのではないでしょうか。

設問5:選挙について思うことがあればお答えください。

  • もっと気軽に投票できるような環境が欲しいと思う。(26歳 女性)
  • インターネット投票は、ぜひ実施してほしい。投票所まで足がなくて行けない人は、たくさんいるので。(54歳 女性)
  • 最近の開票日のテレビ番組は、少しふざけ過ぎだと思う。(27歳 女性)
  • 人気投票的な人物が多くなっている感じがする。(49歳 男性)
  • 選挙の時だけよりも、今まであるいはこれからの姿勢を注視しています。(63歳 女性)
  • 選挙カーは動いててすぐ去っていくので、名前しかわからず、うるさいだけで全然意味ない。(35歳 女性)
  • 投票率を上げる方法を研究し、より多くの人が選挙に参画できるような社会にして欲しい。(65歳 男性)
  • どの政党も不安なところがあり任せたい政党選びに苦慮しています。(40歳 女性)
  • テレビの報道等でも、無所属の人が不利なので、それを解消した方がいいと思う。(62歳 女性)
  • 経費のかからない選挙をするように工夫してほしい。(68歳 男性)
  • 当選のための選挙でなくその先を見据えたものにしてほしい。(27歳 男性)

公示日を迎え、各党が積極的な選挙活動をスタートさせており、マスコミなどでも報道されています。当レポートをご覧いただいているお住まいの地域でも演説や選挙カーでの宣伝活動なども行われているのではないでしょうか。 今回の選挙の結果が、どのような結果をもたらすかは未知数です。ですが、どんな結果になるにせよ、より多くの方が参加できるシステムの構築や、一票を投じる価値が向上するような被選挙者・当選者の行動が求められているのではないでしょうか。また、選挙者はこれを機に政治に少しでも興味が生まれることになると良いのではないでしょうか。