調査日時:2008年12月10日(水)~12月16日(火)
時事
今回は、20代~60代のメンバーに、裁判員制度について、【関心を持っているか】や【日本の裁判員制度の導入をどのように思うか】について聞いてみました。
皆さんは裁判員制度に対してどう思われているのでしょうか。
※本調査レポートの引用・転載ご希望の方はこちらをご参照ください。
調査概要
調査方法 |
Webアンケート方式 |
調査対象 |
20代~60代男女(バルクルーメンバー) |
アンケート参加者数 |
合計1,040人
男性515人(年代別内訳: 20代/105、30代/105、40代/105、50代/105、60代以上/95)
女性525人(年代別内訳: 20代/105、30代/105、40代/105、50代/105、60代以上/105) |
調査日時 |
2008年12月10日(水)~12月16日(火) |
調査機関 |
株式会社バルク |

アンケート結果トピックス
- あなたは平成21年5月21日より日本で始まる「裁判員制度」を知っていますか。
【内容までよく知っている】9.4%、【ある程度内容を知っている】61.8%、
【名前は知っているが内容はよくわからない】26.0%、
【名前は知っているが内容はまったくわからない】2.5%、【名前も知らない】0.3%
- 現在の裁判(司法制度など)に対して、どのような印象をもっていますか。
【判決まで時間がかかる】59.0%、【改善したほうがよい】36.4%、
【難しそう】29.1%、【何をやっているのかよく分からない】26.4%、【縁遠い】24.4%、
【堅い】15.8%、【現行の制度でも十分機能している】15.8%、【暗い】9.5%
【信頼できる】8.3%、【興味がないので全く分からない】3.2%、【その他】2.9%
- 日本の裁判員制度の導入をあなたはどのように思いますか。
【賛成である】18.1%、 【どちらとも言えない】60.3%、 【反対である】21.6%
裁判員制度への関心の有無
『あなたは平成21年5月21日より日本で始まる「裁判員制度」を知っていますか 』という質問をしたところ、約7割以上の人が、ある程度内容を知っていることがわかりました。
具体的には、「内容までよく知っている」9.4%、「ある程度内容を知っている」61.8%、「名前は知っているが内容はよくわからない」26.0%、「名前は知っているが内容はまったくわからない」2.5%、「名前も知らない」0.3%となっています。
設問1:あなたは平成21年5月21日より日本で始まる「裁判員制度」を知っていますか。
【裁判員制度認知度 年代別グラフ】

年代で分けて見ると、「内容までよく知っている」は20代は一番高く、13.8%であるのに対して、30代が一番低く5.7%となっています。「ある程度内容を知っている」のは40代、60代以上と20代がいずれも6割を超え、それぞれ66.2%、63.0%、62.4%となっていました。「名前は知っているが内容はまったくわからない」と答えた人は、30代・50代が高く、それぞれ31.9%、29.0%となってます。
設問2:あなたは裁判の制度ややり方、判決等に関心はありますか。
【裁判への関心度 年代別グラフ】

「あなたは裁判の制度ややり方、判決等に関心はありますか」という質問について、「非常に関心がある」は50代が一番低く、7.5%であるのに対して、20代が一番高く19.5%となっており、その差は12ポイントとなってます。それに対して、「あまり関心がない」と答えた人は40代、50代、60代以上がいずれも3割を超えて高く(それぞれ32.9%、33.3%、36.5%、30.9%)、20代、30代が25.7%と26.2%となってます。20代、30代は他の年代より、裁判員制度に対してやや関心が高いようです。
日本の裁判(司法制度など)の印象について
『現在の裁判(司法制度など)に対して、どのような印象をもっていますか』という質問に対して、全体から見ると、「判決まで時間がかかる」59.0%、「改善したほうがよい」36.4%、「難しそう」29.1%、「何をやっているのかよく分からない」26.4%、「縁遠い」24.4%と答えた人が多いようです。
設問3:現在の裁判(司法制度など)に対して、どのような印象をもっていますか。
【裁判(司法制度など)に対する印象 性別グラフ】

性別で分けて見ると、「判決まで時間がかかる」と答えた人は一番多く、女性が59.8%、男性が58.3%となってます。次は「改善したほうがよい」(女性が31.8%、男性が41.2%)、「難しそう」(女性36.4%、男性21.7%)、「何をやっているのかよく分からない」(女性31.2%、男性21.6%)となってます。男性より、女性の方が、マイナスイメージを強く持っているようです。
設問4:あなたはご自分で裁判員制度について、情報収集をしましたか。
【裁判員制度の情報収集先 性別グラフ】

裁判員制度の情報収集について、全体から見ると、上位3位「新聞・雑誌等で関連記事を読んだ」(女性が51.8%、男性が56.1%)、「CMを見た」(女性が52.4%、男性が41.0%)、「新聞広告を見た」(女性が19.4%、男性20.8%)となってます。自分でホームページなどで調べて、情報を集めている人は少ないようです。
日本の裁判員制度導入について
「日本の裁判員制度の導入をあなたはどのように思いますか」という質問に対して、「賛成である」は18.1%、「どちらとも言えない」は60.3%、「反対である」は21.6%となってます。賛成の人より、反対の人が多いようです。
設問5: 日本の裁判員制度の導入をあなたはどのように思いますか。
【裁判員制度導入について 年代別グラフ】

年代で分けて見ると、「賛成である」のは、20代と40代が多く、それぞれ、21.1%、22.0%となっていました。「反対である」と答えた人は50代が一番多く、28.1%となっていました。次いで60代以上が23.1%、20代が21.5%となってます。「どちらとも言えない」のは30代と60代以上が多く、それぞれ66.7%と65.3%となっていました。50代、60代以上は、慣れないことへの抵抗感があるのか、やや反対の意見が多くなっているようです。
裁判員に選ばれることについて
「あなた自身が裁判員に選ばれることについてどう思いますか」という質問に対して、「選ばれて進んでやりたい」は8.6%、「選ばれてもいい」は19.0%、「選ばれれば、その時は仕方がない」は37.7%、「選ばれたくないし、やりたくない」は33.0%、「どうせ選ばれないから、まったく関心がない」は1.7%となってます。裁判員は「やりたい」という積極派より、「やりたくない、仕方がない」という消極派が多いことがわかりました。
設問6: あなた自身が裁判員に選ばれることについてどう思いますか。
【裁判員への意向 年代別グラフ】

年代で分けて見ると、「選ばれて進んでやりたい」と答えた人は20代が一番多く、11.5%となっていました。次は30代が9.5%、40代が9.1%、50代が7.6%、60代以上が5.0%です。「選ばれてもいい」も20代が多く、22.0%となってます。「選ばれれば、その時は仕方がない」と答えた人は60代以上と30代が多く、それぞれ、41.7%、40.0%となっていました。「選ばれたくないし、やりたくない」は、50代が多く、41.4%となっていました。20代と30代は裁判員制度に前向きに取り組もうとしている傾向が見られます。
裁判員をやりたい理由/やりたくない理由
前問で、裁判員を「選ばれて進んでやりたい」「選ばれてもいい」と答えた人に、やりたい理由を聞いたところ、4割以上の人が「めったにない良い経験ができると思うから」(44.8%)、「国民の当然の義務として協力したいと考えるから」(41.6%)と答えていました。一方、「選ばれたくないし、やりたくない」と答えた人に、やりたくない理由を聞いたところ、半数以上が「人を裁くことに抵抗があるから」(56.7%)と答えていました。
設問7:あなたが裁判員をやりたいと思う理由は何ですか。
【裁判員をやりたい理由 性別グラフ】

やりたい理由について、男女別に見てみると、男性は「国民の当然の義務として協力したい」と答える割合が女性より14.1ポイント高くなっており、他の項目より大きな男女差が見られました。一方女性は、「社会勉強」「めったにないよい経験」の割合が男性より高くなっており(それぞれ6.7ポイント、4.2ポイント)、恐らく専業主婦層の声が反映されていると推測できます。
設問8:あなたが裁判員をやりたくないと思う理由は何ですか。
【裁判員をやりたくない理由 性別グラフ】

やりたくない理由について、男女別に見てみると、男性は「時間を取られ、生活や仕事に影響するから」「面倒そうだから」「裁判の制度に関心がないから」「自分と関係のないことに興味がないから」の割合が女性より高くなっており、総じて裁判員制度には消極的な傾向が読み取れます。
一方女性は、「人を裁くことに抵抗があるから」の他、「裁判の内容を理解できる自信がないから」「犯罪者と向き合うのは心理的に不安であるから」のように、不安や自信のなさや、「有罪・無罪の判決が難しそうだから」「自分の意見を述べたり、討論するのが苦手だから」「専門用語が多く難しそうだから」「法律の知識がないから、よく知らないから」のように、裁判制度・法律に対する難しさなどを感じているようでした。
裁判員制度についての意見
自由回答から見ると、皆さんは日本の裁判員制度の導入に不安を持っているようです。特に50代、60代以上の回答者は不安が多いようです。記入いただいた回答をいくつか挙げてみます。
設問9:日本や外国の裁判員制度について、いいなというものがあればご自由にお書きください。
設問10:その他、裁判員制度について、あなたのご意見・ご感想等、ご自由にお書きください。
【日本や外国の裁判員制度についての良いところについて】 |
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- アメリカの一部の制度は良い制度だ。陪審員制度として導入すれば良かった。(55歳 男性)
- 現状の日本の裁判について、多々判決に納得できないことがあり、また裁判官に一般のサラリーマンや主婦の仕事や生活など実態に関する知識が不足していて公正さを失っているのではという疑念を持っている為、裁判員が入って一般人の視点を踏まえて判決に公正さが増すであろうという点が良いと思う。(38歳 男性)
- お金があれば裁判に勝てるアメリカ社会のお金持ちはうらやましいです。もしかしたら大逆転の期待もでてくるのでは。。。日本も個人が訴えやすくなる。(38歳 女性)
- アメリカなどで、注目度が高い裁判を実況中継している所がある。人権の問題もあるが、世間の注目を集めた重大事件については静止画で音声のみであっても中継をしてもいいのではないだろうか。(40歳 女性)
- この裁判員制度がうまくこの日本で機能するのかは良くわからないが、勇気ある1歩を踏み出したことは評価できると思う。(53歳 男性)
- 韓国も裁判員制度を適用しているが、全員一致しないと判決を出さないと聞いたが、日本は多数決で決まってしまうので採用方法は韓国の方が良いと思う。(31歳 女性)
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【裁判員制度についてのご意見・ご感想】 |
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- 今の、専門的知識のある裁判官が裁くことでどうしていけないのか理解できない。アメリカの陪審員制度が土台になっているのだろうが、陪審員制度の問題点も多くあるはずなのに。(56歳 女性)
- 知識のない人がその時受けた感情だけで人を裁くのはとても怖いこと。もっと慎重に論議してから裁判員制度を決めるべきだった。外国の真似をすればいいという問題ではない。日本人の国民性や性格など統計を取るべき。日本人には裁判員制度は向いてないと容易に想像はつく。(28歳 女性)
- 日本では判・検事・弁護士など裁判関係者は「司法試験」に合格しなければその資格がないとされてきたのに、突然「あなたも裁判員」と言われても戸惑うだけではないのでしょうか?(73歳 男性)
- もう少し判りやすく一般の人にも詳しい説明会やパンフレットを作り知らせる努力をしたり、模擬裁判等に参加できる機会が欲しい。(49歳 女性)
- 特に法律の知識があるわけでない自分にどのようなことが出来るのかよくわからないし不安である。(28歳 男性)
- 外国の制度をそのまま取り入れるのではなく、日本人の考え方、風習などをよく考えて取り入れるべき。(21歳 女性)
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